農業用語が頻出する斬新なゲーム『天穂のサクナヒメ』 「稲作が戦闘に作用する」ゲームデザインの巧さに迫る

『天穂のサクナヒメ』にみるゲームデザインの巧さ

爽快な戦闘が楽しめる横スクロールアクションパート

 『天穂のサクナヒメ』の横スクロール型アクションパートでは、農具を武器として多彩なコンボを繰り出す爽快な戦闘が楽しめる。「弱攻撃」「強攻撃」「移動ボタン」の組み合わせで攻撃の種類が変化するシンプルながら飽きの来ない戦闘スタイルだ。特にボス戦は歯ごたえがあり、単純なボタン連打ではまず突破できないため、アクション初心者には難しいと感じるかもしれない。

 また、「羽衣」を伸ばしてスムーズに移動できるのは本作の特徴といえるだろう。ワイヤーアクションの感覚で敵の背後に回り込んだり、壁や天井に捕まって移動したりといった操作は少しクセがあるが、使いこなせれば戦闘がより楽しくなるだろう。

 さらに、アクションパートでは料理や農具の作成に使う素材も集めることになる。「稲作パートを進めるために必要な素材があれば探索に出かける」「現状のステータスでは倒せない強敵が現れれば米作りに励む」といったようにふたつのパートを行き来するゲーム性になっているため、ついついやめ時がわからなくなってしまうことだろう。

 『天穂のサクナヒメ』は現在パッケージ版の在庫が品薄で手に入りにくい状態ではあるが、PS StoreやニンテンドーeショップからDL版を購入することも可能だ。今回のレビューを見て少しでも興味が湧いた方はぜひともプレイしてみてほしい。

■坂田憲亮
愛知県の田舎で自由気ままに暮らすフリーライター。アプリやゲームなどエンタメ分野をはじめ、国内大手の各種メディアにて記事を執筆中。取材から撮影、Webデザインまで行う自称・マルチクリエイター。

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