Netflix、株価急落の背景に登録者の伸び悩み? アナリストも「コロナ禍で浮上しただけ」と厳しい見方

 日本でも着々と定着しつつあるアメリカの動画配信サービス「Netflix」が20日に実施した第3四半期(7月~9月)の決算報告を受け、10月初旬に約530円だった株価が24日現在は約490円と大きな値下がりを見せた。

 この急落は主に「新規登録者数の伸び悩み」が原因として挙げられる。Netflix は新型コロナウィルスの感染拡大により、第1四半期(1月~3月)は約1580万人、第2四半期(4月~6月)は約1010万人と新規登録者を増やし、盤石な成長を見せていた。しかし、第3四半期の新規登録者数は220万人に留まり、アナリストが予想していた330万人を大きく下回った。

 この予想外の伸び悩みは、“コロナ特需”を抜け、夏場にかけて世界各地でロックダウンが解除されたことに伴い、”新規登録者の増加が見込めなくなったことが主要因としつつも、9月に配信されたフランス映画『キューティーズ!』が「少女を性の対象化している」と批判を受けたこと、ウォルト・ディズニーがテレビや映画向けに作ったコンテンツを動画配信サービス「Disney+ (ディズニープラス)」に配信しやすいように組織再編したことなど、様々な要因が背景にあった。

 また、株価下落にはNetflixの姿勢が影響しているかもしれない。Netflix は決算報告にて、「パンデミックの影響により、今後の予想が非常に困難な状態が続いている」としながらも、「2021年に世界経済が回復するにつれて、当社の成長は新型コロナウィルス以前のレベルに戻るだろう」と株主に対して強気な姿勢を見せた。

 ただ、第4四半期(10月~12月)の新規登録者を600万人になると見通しを発表したものの、この数字はアナリストの予想(651万人)を下回るもので、 Netflixのフワフワした振る舞いも株価下落の背景にありそうだ。

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