ディズニー、打倒Netflixに本腰を入れるーーコンテンツ配信事業を大幅強化へ
10月12日、ウォルト・ディズニー・カンパニーのCEO、ボブ・チャペック氏は、『Disney+』やその他ストリーミングサービスの強化を目的とした再編成を行うことを発表した。新型コロナウイルスの影響で苦境に立つ映画・パーク事業に代わって、驚異的な成長を見せるストリーミング事業を拡大したい考えだ。
同社の動きは、コロナ禍においてより多くのユーザーをストリーミングサービスに導いたことから始まる。8月の時点で、同社のストリーミングサービス全体では1億人もの有料利用者がおり、その半数以上が『Disney+』のユーザーだという。
今回の再編成により、コンテンツの制作にフォーカスした3つの部門と、その配信を担う部門が新たに設立される。チャペック氏は、「コンテンツの制作と配信をそれぞれ専門のチームが管理することで、ユーザーが望むコンテンツを、より迅速かつ効果的に配信することができる」と語っている。加えて、「これによってコンテンツ制作チームは新しい作品作りに集中できるようになり、グローバル配信チームは、コンテンツを映画館、テレビ、もしくは『Disney+』やHuluなどのストリーミングプラットフォームなど、どこに配信するかを決定することができる」と述べた。
また同氏は、「再編によって人員が削減される可能性はあるものの、パーク部門ほどの規模ではない可能性が高い」としている。カリフォルニアのディズニーランドがすぐに再開できないことが判明した後、同社は約28000人のスタッフを解雇している。
新たに設立された部門を統括する、メディア&エンターテインメント配信事業の責任者には、同社のto C部門を14年間担ってきたベテラン、カリーム・ダニエル氏が就任した。ダニエル氏はディズニー社で最初に部門長になった黒人で、社内で高く評価されているという。
チャペック氏も、「D to Cビジネス(Direct to Consumer)の強化を目指す中で重要なのは、優れたコンテンツを可能な限り最適な方法で配信、および収益化すること。カリームほどこの取り組みを主導するのに適した人はいない」と評価している。