スパイウェア疑惑で炎上? 話題の『原神』を実際に遊んでみた
『原神』はなぜここまで炎上してしまったのか?
ゲームとしてのクオリティは低くない本作だが、残念ながら現状では悪い意味で話題になってしまっている。『原神』炎上のきっかけになったのは、PC版のインストール・起動後に動作を開始する常駐プログラム『mhyprot2』だ。当初、この常駐プログラムは製品をアンインストールしても削除されず、「スパイウェアなのではないか」といった憶測が飛び交っていた。しかし、miHoYo側はこれをスパイウェアではなくアンチチートプログラムであると正式に否定している(参考:https://genshin.mihoyo.com/ja/news/detail/5815)。
また、炎上したもう一つの理由として、『原神』の利用規約がある。『原神』公式サイトに掲載されている利用規約には、「当社は提供された個人情報の完全なる保護を約束することはできません」といった文言がある。加えて、miHoYoの本店が所在する中国には「国家情報法」が定められており、その第七条では『いかなる組織や公民も国家の情報活動を支持・協力し、知り得た秘密を厳守しなければならない』とされている。つまり、中国の企業は政府から個人情報の開示を求められた場合、拒否できない可能性があるのだ。このような背景も、『原神』が炎上した理由のひとつといえるだろう。
ただし、個人情報の完全な保護を約束できないという点においては『原神』に限った話ではなく、多くのオンラインゲームの利用規約に同様の記述があるし、個人情報の流出を100%防ぐシステムは存在しないため、オンラインゲームをやる以上多少のリスクが伴うことは忘れずにいたい。
一方、PS4版は安全なのかというと、それも確約はできない。PS4版をプレイする際にはPSNアカウントをmiHoYo側のサーバーと紐づける必要があるためだ。その点が心配なのであれば、本作のインストールは見送るべきといえるだろう。また、個人情報の流出を本当に回避したければ、そもそもオンラインゲームそのものを遊ばずにおく方が賢明だ。今回の騒動は、「オンラインゲーム自体、ある程度のリスクを承知のうえで遊ぶものである」という事実を、今いちどユーザーに突き付ける形となったのかもしれない。
■坂田憲亮
愛知県の田舎で自由気ままに暮らすフリーライター。アプリやゲームなどエンタメ分野をはじめ、国内大手の各種メディアにて記事を執筆中。取材から撮影、Webデザインまで行う自称・マルチクリエイター。