Micsrosoftが『スカイリム』や『Fallout』のBethesdaの親会社Zenimax mediaを買収 次世代ハードの売上に与える影響は?

 あのMicrosoftがゲーム企業Zenimax Mediaを買収したことが大きな話題となっている。Zenimax Mediaは傘下に『スカイリム』や『Fallout』などで知られるBethesda Softworksなどを含むゲーム企業で、今回の買収により、一部IPはXbox Series Xの独占タイトルになるのではないかとまことしやかに囁かれている。そこで今回は、件の買収におけるMicrosoftの意図や、次世代機ハードの売上に及ぼす影響について考察していく。

Zenimax Mediaとは

 まずは、今回買収されたZenimax Mediaがどのような企業なのか解説する。Zenimax Mediaは複数の子会社を抱えるゲーム企業だ。その子会社の中でもひときわ目立つのがBethesda Softworksだろう。Bethesdaは『スカイリム』をはじめとした『The Elder Scrolls』シリーズや『Fallout』シリーズなど自由度の高いオープンワールドゲームを自社IPに持ち、海外だけでなく日本でも人気が高い。Bethesdaのゲームをきっかけにいわゆる”洋ゲー”の魅力を知ったというプレイヤーも多いだろう。同社は他にも『Dishonored』、『DOOM』『ウルフェンシュタイン』といったPlay Stationでも人気の高かったタイトルをいくつも手掛けている。

 また、Zenimax MediaはBethesdaのほかにid SoftWare、Zenimax Online Studios、Arkane、MachineGames、Tango Gameworks、Alpha Dog、Roundhouse Studiosを子会社に持つ。中でもTango Gameworksは『バイオハザード』シリーズの生みの親である三上真司が設立した企業でもあるため、日本での認知度は高いのではないだろうか。

Zenimaxを買収したMicrosoftの狙いとは

 これほどの大企業を買収するためにMicrosoftが使った金額は、なんと7830億円にもなる。これは、あのディズニーがピクサースタジオを買収した総額に匹敵する。Microsoftがこれほどまでに巨額の資金を投じたことには、どのような狙いがあるのだろうか。

 ここには、当然ながら自社の次世代ハードであるXbox Series Xの売上を後押ししたいという思惑があるだろう。前世代のXbox Oneは、SIEのPlay Station 4と比較すると売上台数を伸ばせていない。これには、独占タイトルのラインナップが大きく影響しているはずだ。PS4独占タイトルに比べると、Xbox oneのラインナップには魅力を感じないというユーザーは少なくなかった。そんな状況を打破する策として考えられるのが、Bethesdaの人気IPの独占タイトル化だ。

 そのため、Bethesdaが以前より開発中である『Starfield』や『The Elder Scrolls:VI』といった自社IPは、Play Station 5向けに発売されない可能性が高くなったといえるだろう。Mircosoftが買収した以上、自社ハード限定で展開することは想像に難くない。今後発売されるBethesdaのゲームがPlay Station 5で遊べないというのは、一部のゲームファンにとっては悲報といえるかもしれない。

 また、MicrosoftにはXbox Game Passの利用を後押ししたいという狙いもありそうだ。近年はゲーム業界の外でもソフトウェアの”買い切り型”から”サブスクリプションサービス”への移行が著しい。OfficeやWindows 10をサブスクで利用できる『Microsoft 365』はその代表例だろう。Xbox Game PassにBethesdaの人気IPなどが参加すれば、サブスクリプションサービスからの収益にも大きな影響がありそうだ。

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