MicrosoftのZeniMax&Bethesda買収は史上最高額のゲーム関連取引に それでもソニーのPS5には勝てず?

 Microsoftは9月21日、アメリカのZeniMax Mediaと、その傘下のゲームパブリッシャーBethesda Softworksの買収を発表した。買収金額は75億ドル(約7800億円)で、これまでMicrosoftが行なってきたゲーム関連の買収で史上最高額となる。

 Microsoftは、TikTokの買収にも名乗り出ていたが、そちらはOracleとWallmartが参画する方向で進んでいる。

Mojang Studios買収時の3倍の金額

 買収は2021年度の後半に完了するとのことで、MicrosoftのCEOであるSatya Nadella氏は「Bethesdaは、あらゆるカテゴリのゲームで成功を収めており、世界中で30億人を超えるゲーマーに力を与える野心をさらに高めていきます」と、Microsoft公式サイトで述べている(参考:https://news.microsoft.com/2020/09/21/microsoft-to-acquire-zenimax-media-and-its-game-publisher-bethesda-softworks/)。

 今回の買収は、Minecraftの開発元Mojang Studiosを2014年に買収した25億ドル(約2600億円)を上回り、ゲームに関連するMicrosoftの最大の買収だと『Fortune』は、報じている(参考:https://fortune.com/2020/09/21/microsoft-bethesda-softworks-zenimax-media-deal-doom-fallout-skyrim/)。

 これによりMicrosoftは、所有するゲームスタジオの数を15から23に増やすことになる。Microsoftは、傘下に収めるゲーム・フランチャイズが自社製ゲームコンソール「Xbox」に限定されるかは、明言していない。

 しかし、ゲームサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」にBethesdaの今後のゲームを取り入れ、Xboxゲームコンソールとパソコンを介して特定のビデオゲームタイトルを月額料金でプレイできるようになるという。

ソニーPS5の優勢に当面は変化なし?

 OmdiaのシニアアナリストであるGeorge Jijiashvili氏の談話を『NPR』は掲載している(参考:https://www.npr.org/2020/09/21/915308028/microsoft-to-buy-bethesda-in-7-5-billion-deal-acquiring-fallout-the-elder-scroll

「今回の発表は、発売時のPlayStation 5とXbox Series Xの売り上げにはほとんど影響がないと思います。これは、大半のコンソールゲーマーが、すでに特定のゲーム機を購入すると決めているため。この取引は、より長期的な投資になっていくでしょう」

 Jijiashvili氏は、PS5の優勢に変わりはなく、少なくとも最初の数年の販売台数は、2対1の差がつくと予測する。

 しかし「これは、サブスクリプションを通じてXboxエコシステムを本気で成長させたいというMicrosoftが、これまでになくお金を投入したもので、非常に大きな取引です」とも述べる。

 この取引により、Xboxのクラウドゲーム・プラットフォームがゲーマーにとってより魅力的なものになるという。

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