Switch向け『モンスターハンターライズ』は中高生を意識? 従来のシリーズ作との違いを考える

 CAPCOMは2020年9月17日に公開された「Nintendo Direct Mini」にて、Nintendo Switch向けのハンティングアクションRPG『モンスターハンターライズ』を発表した。今作では「プレイヤーキャラクターが喋る」「妖怪のようなデザインのモンスターが登場する」「険しい崖や岩場にまで移動できる」とこれまでのモンハンにはなかった要素が盛りだくさんだ。そこで今回は『モンスターハンターライズ』について、従来のモンハンシリーズとの違いについて解説していく。

久々の携帯機向けモンハンは中高生を意識か

 『モンスターハンターライズ』は中高生の新規ユーザーを意識して制作されているのではないだろうか。というのも、本作はこれまでのシリーズとは異なる演出が目立つためである。

 PVでは、戦闘中にハンターが喋る様子が確認できた。これまでのモンハンでは、ハンターが攻撃する際に掛け声を挙げることはあったが、明確な台詞を発することはなかった。しかし、今作ではフィールドの移動時や戦闘中に台詞を発しており、これまでのシリーズよりも漫画的な印象を受けた。

 また、『モンスターハンターライズ』が携帯機としての側面を持つNintendo Switch向けに発売することも、中高生に受ける要因といえるだろう。持ち運びができるNintendo Switchならではの手軽さは、いつでも友達に会える中高生に非常にマッチしている。

妖怪をモチーフにした和テイストの新規モンスター

 妖怪をモチーフにしたモンスターも、中高生への訴求力が強いのではないだろうか。これは、今の中高生がかつての『妖怪ウォッチ』ブームを経験していることから推測できる。

 今回発表された怨虎竜(おんこりゅう)「マガイマカド」は鵺を、傘鳥(さんちょう)「アケノシルム」は唐笠小僧を想起させるデザインが印象的だったほか、通称に妖怪の名前が入っている鎌鼬竜(れんようりゅう)「オサイズチ」や河童蛙「ヨツミワドウ」なども紹介されている。さらに、公開されたPVでは百鬼夜行が元ネタと思われる「百竜夜行」というワードも登場していた。

 それだけではなく、ハンターの拠点である「カムラの里」や新フィールドの「大社跡」なども日本らしい文化が色濃いデザインとなっている。『モンスターハンターポータブル3rd』も和のテイストが強い作品だったが、本作はそれ以上に日本古来の文化を意識した舞台設定が印象的だ。

『XX』とも『ワールド』とも異なるグラフィック

 『モンスターハンターライズ』のグラフィックは、従来のシリーズとも『モンスターハンターワールド』とも異なるものになっている。これは使用しているゲームエンジンの違いからも明らかだ。

 モンハンシリーズでは、初代から『XX』までグラフィック面における劇的な進化はなかった。しかし、『モンスターハンターワールド』ではモデリングを大幅に改善し、ゲームエンジンも従来の”MTフレームワークス”を改良した”ワールドエンジン”を使用していた。

 一方、『モンスターハンターライズ』では開発に”REエンジン”を採用している。REエンジンはもともと同社の『バイオハザード7 レジデント イービル』のために開発されたゲームエンジンだが、従来の”MTフレームワークス”よりも汎用性が向上しているため、さまざまなゲームタイトルの制作に適したものとなっている。そのため、本作のグラフィックは『ワールド』ほど高精細とはいえないが、Switch向けに最適化されたものといえるだろう。

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