Facebook、独自のAIアシスタント実装に向け動く GAFA各社のAIに対するスタンスとは?
GoogleはGoogleアシスタント、AmazonはAlexa搭載の音声アシスタント、そしてAppleはSiriを提供しているが、それぞれコンセプトが異なる。
Googleはスマートさに力点を置いた汎用性の高さを強調し、Appleは日常生活の会話との親和性からユーモアさを追求している。また、Amazonは元々ECサイトということもあり、顧客にとっての使い勝手の良さを重んじている。そして、Facebookは日常生活そのものを標的にしている。
音声アシスタント分野において、GAFAの中で特に飛躍的な成長ぶりを見せているのがAmazonだ。Voicebot.aiが実施した音声プラットフォームの社会的影響に関する最新の調査では、Amazon「Alexa」が音声業界に最も多大な影響力を与え得るとしている。同社が独自にスコア化した音声プラットフォームの影響評価は、Amazon「Alexa」(110.2点)が最も高く、次いでGoogleアシスタント(97.3点)、大きく引き離してApple「Siri」(38.3点)、Samsung「Bixby」(25.5点)と続いている。
Amazon「Alexa」と言えば、他の音声アシスタントにはない機能をいくつか兼ね備えている。例えば、家族間の喧嘩の仲裁役としての役目を担っており、家族と口論になった時に、「アレクサ、話題を変えて(Alexa, change the subject)とアレクサに向かって叫ぶと、他の話題に仕向けることで、喧嘩を止めることができる。Amazonが独自に実施した調査により、「クリスマスの日には家族間の口論へと発展しやすい」という結果が得られたことから、このような機能の実装に至った。
Amazonの「2020アレクサ賞」を受賞した米国のエモリー大学の人文科学の学生らは、勝ち取った賞金で社会的に仲間意識の強いチャットボット「エモラ(Emora)」を開発。Alexaを搭載したエモラに話しかけると、慰めてくれたり、思いやりのある言葉をかけてくれたりするようになっている。現在は、教育のほか、うつ病や社会的孤立に悩まされる人々の療養への適用を検討中である。
GAFA各社は音声アシスタント領域において独自路線を進んでおり、今後それぞれが世界的に多大な影響力を発揮していくことだろう。
(画像=Pexelsより)
■大澤法子
翻訳者、ライター。AI、eスポーツ、シビックテックを中心に動向を追っている。