米企業の82%がコロナ終息後もリモートワークを継続 オフィスは縮小傾向に
新型コロナウイルスの流行により、急速に普及したリモートワーク。それに伴い、世界的にオフィス縮小を検討する企業が増えている。今後オフィスが生き残るには、“アフターコロナ”への適応が必須といえそうだ。
82%の企業がコロナ終息後もリモートワークを採用
米リサーチ&アドバイザリ企業「Gartner(ガートナー)」の調査によると、企業の82%が、コロナ終息後もリモートワークを取り入れると回答している。さらに、およそ半数の47%は、フルタイムでのリモートワークも許可するという。
ガートナーのエリザベス・ジョイス氏は、「各社のリーダーは、社員の希望に応え、より活発なビジネスオペレーションを構築する方法として、継続的なリモートワークを検討している」と語る。「現在多くの企業が直面している問題は、リモートで働く社員を管理する方法ではなく、リモート社員と、出社する社員をどのように管理していくかについてだ」と加えた。リモートワークを取り入れる社員の割合によって、仕事のやり方が変わってくるからだ。
リモートワークの話となると、さかんに議論されるのが彼らの生産性についてだが、ガートナーの調査では、生産性について懸念を示す企業のリーダーは、13%程度だという。彼らがより関心をもっているのは“企業文化の維持”で、およそ30%の回答者が懸念材料として上げている。また、13%は、リモート社員と出社する社員の間で経験の差が生まれることを危惧しているようだ。
リモートワークの拡大はほぼ確実で、それによって仕事を遂行する方法も多様化していく。企業にとっては、リモート社員と出社する社員をうまく活用することが、今後の課題となるだろう。
リモートワーク拡大に伴い、オフィスは縮小傾向に
リモートワークの拡大につれて、オフィスを縮小する動きも見られている。オフィスのインテリアデザインを手がける「Unispace」による、コカ・コーラやデロイトなどのグローバル企業を対象にした調査では、36%の企業がオフィス面積を縮小するつもりであると回答している。
「Charter Hall」のオフィス開発責任者であるアンドリューボーガー氏は、「過去30年間で、オフィスのあり方は幾度となく変化しており、“オフィスの消滅”が論じられることも度々あった」とウェビナーで語っている。同氏は、「今後は、在宅勤務の割合が増えて、オフィスの密度は下がる」と予測し、「オフィスの開発者やビル所有者は、常に新しいテクノロジーや変わりゆく勤務スタイルに適応している。今後は、衛生基準の高い安全なオフィスに焦点が当たっていく」と述べた。すでに、コロナに適応したオフィスビルディングのモデルを発表したデベロッパーもあり、“アフターコロナ”を見据えた開発が進みそうだ。