『ペーパーマリオ オリガミキング』、“定番をくつがえす新展開”がもたらす刺激

 仲間の紹介をすっかり忘れていた。今作でマリオの相棒を務めるのは、オリー王の妹・オリビアだ。兄の悪事を阻止すべくマリオの旅をサポートする。戦闘力はないものの、困ったときには旅のヒントをくれる欠かせない存在。そして相棒だけではなく、マリオは行く先々で新たな仲間に助けられながら、出会いや別れを繰り返すのだ。

 オリー王を倒してピーチ姫を助けたらゲームはそこで終了かと思えば、そうではない。旅をする中では、キノピオを救ったりスカスカ穴を修復したり、お宝やハテナブロックを回収したり……やることは山ほどある。エリアごとに達成率が表示される仕組みで、クリア後もゲームを隅から隅まで楽しむことができるだろう。筆者が一番ときめいた要素である。

 ペーパーマリオの過去作のテーマは、シールやペンキだった。それに比べて今回はオリガミというテーマで、ペラペラの2Dの世界を保ちながらも、奥行きのある3Dの世界観をうまく表現している。オリガミの扱い方、表現方法が実に多彩で驚かされた。ゲームを実際にプレイすれば、オリガミというテーマへの感心が一気に高まることだろう。

 2000年に発売された『マリオストーリー』から20周年を迎えた今作『ペーパーマリオ オリガミキング』。これまでの当たり前をくつがえす新たなストーリーやバトル展開、やり込み要素を考慮した仕組みなど、節目にあたる作品としてはかなり魅力的な一作になったのではないか。今後のペーパーマリオシリーズにも期待が高まる。

■ミキマキ
ゲームを趣味とするフリーライター。新作発売と同時に引きこもりとなる傾向がある。一つの作品をとことんやり込むのがモットーで、とくにマリオカート8デラックスは約3年間、腕を磨き続けている。ゲームの楽しさや作品の魅力を文章で伝えていきます。Twitter

 

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