『ペーパーマリオ オリガミキング』、“定番をくつがえす新展開”がもたらす刺激

 「クッパ軍団はマリオの永遠の敵である」

 誰もがそう思っていたのではないか。ペーパーマリオシリーズ第1作目『マリオストーリー』から、ピーチ姫は度々クッパによってさらわれてきた。当シリーズ外でも、オープニングでマリオがクッパと対峙するストーリーは度々描かれてきたし、いわゆる定番の展開だ。そしてもちろん今作でも、20周年という節目とはいえ定番が変わるなんて思ってもいなければ、疑う余地もなかった。

 ストーリー冒頭、筆者は驚いた。あの大きい体と強い口調でマリオを脅すクッパの姿はどこにもない。ただポツリと、折りたたまれて小さくなったクッパが弱々しく佇んでいる……いや違う、吊るされている。そう、今作ではクッパが悪役どころか一人の被害者として描かれていたのだ。

 定番ストーリーがくつがえされた事態に戸惑いつつも、目の前のなんとも弱々しいがどこか愛嬌を感じるクッパの姿をみていたら、いつの間にか違和感は消えていた。ピーチ姫を助けたいマリオと借りを返したいクッパ、それに賛同するクッパ軍団の仲間たち。彼らの目的は一致した。過去にも『スーパーマリオ RPG』では、クッパは強いクッパのイメージそのままに、利害関係の一致から共闘したこともあったが、今回の作品はひと味違う。これまで以上に、クッパ軍団とマリオが協力しあう展開に期待が膨らんだ。

 今作のテーマはオリガミ。オリガミ王国のオリー王は世界をのっとろうと企む。マリオはオリー王の野望を阻止し、さらわれたピーチ姫を救うべく旅にでる。 旅の道中ではオリガミ兵に行く手をはばまれながらも、旅先で出会う新たな仲間とともにいくつもの危機を乗り越えていく。時には賑やかな演出があったり悲しい別れが待っていたり……感情豊かなストーリー展開に心が動かされることだろう。

 のっとられたピーチ城を取り巻く5色の紙テープを取り払うべく、マリオたちは様々な地に足を運ぶ。自然豊かでどこか懐かしいミハラシ山や、辺り一面が紅葉でかこまれ思わず目を奪われるモミジ山 、ヤケスナ大さばくでは日の当たらない砂漠を駆け回る。 船に乗って大海原を冒険したり、天空に浮かぶ温泉でゆったりすることも。それだけじゃない、ある時は川下りでハラハラしたり、手裏剣で的当てゲームに挑戦したり、力の試練を乗り越えなければならない時だってある。各ステージにはミニゲームや謎解き要素が散りばめられていて、いつだってワクワクした気持ちで旅ができるのだ。

 おっと、オリガミ兵に囲まれてしまった。そんな時は、パズルを使って敵を並べてみよう。マリオをぐるりと囲む360度のパズルを操り敵を並べ替えるのは、今作の新たな要素だ。うまくいけばその後のバトルを有利に進めることができるぞ。決して簡単ではなく筆者も頭を抱える場面が何度もあったが、そんな時はキノピオや仲間が力をかしてくれる。そう、決して1人で戦っているわけではないのだ。そしてバトルに勝つとコインとカミッペラが手に入るのだが、今作では経験値という概念がない。バトルをする価値が薄れたようにも思えるが、コインが非常に重要になってくるのだ。