Brave group代表・野口圭登×JJコンビに聞く、“リスタート”の難しさとやりがい

「演者さんファーストで最適解を見つける」(野口)

――Brave groupもJJコンビも、動画を通じたエンターテイメントに注力していますが、今般のコロナ禍でどんな影響があったでしょうか。

野口:「VTuber」の事業自体は、この自粛要請期間にとても伸びました。広告収益はそもそもの出稿が減った分、あまり変わらないのですが、ギフティング――いわゆる投げ銭が劇的に伸びていて。具体的には、弊社のチャンネルではコロナ以前の4〜5倍になりました。VTuberのファンはVTuberだけを推しているわけではなく、例えばリアルのアイドルも応援している、という人が多いと思います。そのなかで、コンサートやイベントが続々中止になり、リアルのアイドルを“応援”ができない状況が生まれたんです。

ジョージ:“予算”があまるようになったんですね。

野口:それが大きかったように思います。VTuberは、もちろんリアルの会場を借りてイベントをすることもありますが、いまはVRのプラットフォームもありますし、ライブを家で楽しむことができる。ボイスの販売も伸びましたし、事業としては、ポジティブな影響を受けた面があります。

ジロー:僕らはまさに、野口さんからVTuberのオンラインイベントについてお話を聞いていて、リアルなYouTuberでもそうしたものが流行らないかな、と考えていたんです。コロナ禍で、まさにそういう状況が生まれましたね。

ジョージ:そうそう。これまでは、イベントといえば直接会うのが当たり前だったんですけど、「オンラインでもいっか!」とみんなが思えるようになったというか。

ジロー:本田圭佑さんのNowDoからお声がけいただいて、オンラインBARを開いて、インフルエンサーの裏事情をお話ししたり。

野口:うちでいうと「あおぎり高校」というIPがあって、ファンクラブ向けに、10分間、1対1のスカイプ通話ができるサービスを展開していて、こちらも盛況です。これもコロナ禍によりオンラインでのコミュニケーションが当たり前のことになったからこそ、「リアルの代替」ではない価値を持つようになったというか。

ジョージ:リアルに声優さんとお話ができるということですもんね。すげー!

野口:「あおぎり高校」はYouTubeのチャンネル登録者数が約13万人で、例えばキズナアイさん(約276万人)などと比較すると決して大きくない数字ですが、ファンとのエンゲージメントが高く、きちんとマネタイズできています。

ジョージ:うちのサロンにも取り入れたい(笑)。

ジロー:そもそもリアルのイベントは演者にとっても、お客さんにとっても負荷が高くて、例えば、東京のイベントに北海道や沖縄からわざわざ来てくれる人は、飛行機代なんかも含めたらものすごい額を使っているわけじゃないですか。どうにかならないかな、と思っていたので、コロナの話を別にしても、オンラインでリアルと変わらない熱量のイベントを届けられれば、めちゃくちゃいいことだなと思いますね。


――YouTuberやVTuberというシーンについて、活動の幅が大きく広がっていくなかで、マネジメントの重要性もさらに高まっていると思います。あらためて、その点についてはどうお考えでしょうか。

野口:ゲーム部プロジェクトの件があったので、マネジメントについては経営陣一同、一番に力を入れなければならない部分だと考えています。そのなかで、過剰な負荷をかけることなく、頑張ったら頑張っただけ報われる仕組みを作ることはもちろん、クリエイターときちんと向き合うことを重視していこうと。なので、今は演者さんや声優さんとのコミュニケーションをとても大切にしていますし、地方に住むご両親を説得するために北海道までご挨拶に伺ったり、信頼関係を築いていくことが重要だと考えています。

――VTuberというシーンで、制作側が「声優さん」に言及するのは珍しいことですね。

野口:CV(キャラクターボイス)は出さない、というのが業界のルールのようになっていますからね。僕らとしては、例えば大山のぶ代さんが退かれても、きちんと人気を維持している『ドラえもん』のように、作品として強いものにしていかなければと。それだけに、物語と世界観を構築できるプロデューサーのリクルーティングも重要だと考えています。

――JJコンビさんも、演者であり、かつ実業家としてプロデューサー的な目線もお持ちだと思います。動画クリエイターのマネジメントについて、考えていることはありますか?

ジロー:今後について言うなら、野口さんも言われていたことですが、クリエイターごとの価値を最大化するため、より個々人に寄り添ったマネジメントを考えていく必要があると思います。業界が成熟していくなかで、全員まるっと同じプランでは通用しなくなっているんですよね。

ジョージ:そうそう、カスタマイズ契約みたいな形にしていかないとダメだと思います。YouTuberはチャンネルが育っていくと同時に、収益も増えていく。5万人のチャンネルと100万人のチャンネルでは大きく状況が違うし、マネジメントと最初から枠組みをカッチリ決めてしまうと、当然、齟齬が生まれてしまいます。だから、クリエイターの側も状況に応じてマネジメントとしっかり交渉するべきだし、「うちはマネージャーだけください」とか、「エディターだけください」という柔軟な契約が求められていくんじゃないかと。

ジロー:YouTuberって、ゆったりした人が多いんですよね。ずっといい状況が続くと思ってしまっているというか。そこは危機感を持って、ちゃんと交渉した方がいいと思います。

ジョージ:その点、VTuberには技術面でのサポートが必要になることが多いと思うので、ちょっと違いますよね。運営の役割が大きくなりやすいというか。

野口:そうですね。VTuberのマネジメントで難しいのは、演者の方の素晴らしい活躍で、ものすごいチャンネルになったとしても、その人の名前を出すのが難しいことです。当然、“中の人”がしっかり評価されるべきだと思っています。VTuberというシーンが生まれてからまだ3年くらいですが、今後は演者の方もライフステージが変わっていき、別のお仕事に注力する時期もあれば、結婚することもあると思います。そのときに、「ファンのためにVTuberとして頑張らなければいけないし、でも名前が出せず、自分の本当の状況も伝えられないし……」という悩みや葛藤を抱えてしまう。実際、そういう状況で活動をやめてしまう方もいます。僕らができることは、やはり演者の方と真摯に向き合い、名前を出すべきならしっかり出す、など演者さんファーストで最適解を見つけることだと思います。

――今年前半はコロナ禍を中心に大変な状況が続きましたが、夏以降に向けて、どんな活動を考えていますか?

ジョージ:僕らはYouTubeでまたチャレンジャーとして頑張る時期なので、何も気にせず、ニュー・ジョージ&ジローとして、がむしゃらに動画を作っていくだけですね。

ジロー:これから炎上することも増えるかもしれないですけど(笑)。

一同:(笑)。

ジョージ:すぐ土下座するので、炎上したら記事にしてやってください(笑)。とくにジローが物申したくて仕方がないんですよ。100万人のチャンネルで、コンプライアンスを過剰に気にする体質になってしまっていたので、その反動というか。

ジロー:言いたいことが言えなくなっていたので、リミッターを取ってしまおうと。

野口:楽しみですね。僕らBrave groupとしては、既存のファンの方々にもっと楽しんでもらえるよう準備していますし、新しい事業、新しいチャンネルに自信作が多いので、そちらもしっかり進めていこうと考えています。夏に向けて話題になること間違いなしの企画を用意しているので、ぜひ楽しみにしていてください!

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