バーチャルアーティスト・somuniaに訊く、創作活動の源泉と“音楽をやり続ける意味”

バーチャルアーティスト・somuniaに訊く、創作活動の源泉と“音楽をやり続ける意味”

 インターネット上のどこかに存在する部屋で、日々音楽作りに励む謎多き少女「somunia」。透き通る歌声に象徴される存在の“儚さ”とは裏腹に、楽曲を通してリアル世界の住人へストーリー性のある作品を発信し続けている。

 夢の中で見たことをそのまま歌詞として表現していく中で、音楽を通じて少女が何を伝えたいのか、そして作詞とMV制作へのこだわりと音楽をやり続ける意味を、インターネットを通じてsomunia本人に話を聞くことができた。(森山ド・ロ)

ライブってこんなに楽しいんだって思いました

somunia

ーーsomuniaさんが音楽を始めたきっかけはなんですか?

somunia:昔のことはあまり覚えていないんですけど、物心ついた時からお部屋にいて、”自分は音楽をやっていくんだ”という気持ちが気づいた時にはありました。その使命感で音楽を始めました。

ーー部屋では常に音楽が流れていると聞きました。

somunia:そうですね。このお部屋はインターネットの中にあるので、インターネット上にある音楽は全て聴くことができて、よくLo-Fi HipHopを聴いたり、クラシック音楽を聴いたりと、色々な音楽を摂取しています。

ーー例えば、音楽以外にも映像作品なんかで影響を受けたりもするんですか。

somunia:『リリイ・シュシュのすべて』という作品が好きなんです。作中に登場するLily Chou-Chouというアーティストがとても好きなのですが、架空の世界線上にいるアーティストというか、存在はしているけど実際にはしていなくて。アーティストを形成する要素として背景に物語があるっていう世界観がすごく好きで、とても刺激を受けました。

ーーインターネット上で様々な音楽を聴いてきたと思うのですが、特に影響を受けたアルバムを3つ挙げるとしたら?

somunia:すごく悩んだんですけど、まずはビリー・アイリッシュの『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』です。少ない音数の中で、女の子が囁いて歌っているのが衝撃的というか、初めて聴いた時「自分がやりたいのはこれかもしれない」と思いました。リファレンスとしても聴いてますし、その音楽性にも刺激を受けています。自分が図らずも「ウィスパーボイスだ」と言われるようになって、「周りの評価に応えることができているのかな、自分は本当にこのままでいいのかな」と悩んでいた時期があったんですが、彼女の歌声を聴いて「こういう人もいるんだ。じゃあ私もこのままで良いのかもしれない」と肯定してもらった気持ちになりました。

 二枚目は、先ほどの話にもでたLily Chou-Chouの『呼吸』というアルバムを選びました。こちらのアルバムは、参考にしているというか、自分のやっている音楽とは全然違うバンドサウンドなんですが、唯一無二で掴めないような感じがすごく好きな作品です。聞いた瞬間に心をぐっと掴まれてずっと締め付けてくる。あえて修正していない感じのボーカルの質感とか、そういう部分もすごく好きです。

 三枚目は電気グルーヴの『イルボン2000』です。このアルバムはライブ音源をリミックスした作品で、私はライブハウスには行けないんですけど、この作品ってお客さんの声もたくさん入っていて、それ込みで音楽になっているというか、自分も聴きに行ってる気持ちになれるからすごく好きです。あとは、元々こういうテクノとか電子音楽が好きっていうのもあります。

ーー今のsomuniaさんを作り上げている作品だなと思いました。VTuberで絞ると、音楽的に刺激を受けたアーティストや楽曲はありますか?

somunia:私が今でもこうやって音楽をやっているのは、ワニのヤカさんの存在が大きいです。自分が音楽を始めたての頃、音楽を自分で作っているバーチャルの人って、あまり周りにいなくて、そんな時にかなり本格的に音楽やってるなって思ったのが、ワニのヤカさんでした。自分で曲作って作詞までして歌っている姿にすごく感化されて、ご縁があって今では一緒に音楽をさせてもらっている、だから今でも続けられてるみたいなところがあって。

あと、私すごく雑食なんです。ジャンルは問わず聞きますし、アーティストのことを深く知る前に、「あっ、この曲好きだな〜」みたいに、つまみ食いしてる感じです……。

ーーなるほど。音楽を聴く上で、この曲をというよりは、参考になるアーティストさんを基本的に聴いていくというスタンスなんですね。

somunia:そうですね。ボーカルだったらDAOKOさんだったりとか、次はこういう曲作りたいなって思ったらそのイメージに近いサウンドを作っているトラックメイカーさんの曲をたくさん聴いています。

ーーそれでは、初めて出演したイベントの印象を教えてください。

somunia:初ライブは『VIRTUAFREAK vol.3』なんですけど、その時に初めてお客さんと顔を合わせました。正直そんなにまだ自分って知られてないんじゃないかっていう不安とともに出演したんですけど、そうしたら予想以上にすごく盛り上がってもらえて。その光景に戸惑いつつ、同時に自分が今までやってきた音楽が肯定された瞬間だったというか、こんないっぱいの人に聴いてもらえて、ライブってこんなに楽しいんだって思いました。

ーーあの時の盛り上がりはすごかったですね。初出演以外で印象深いライブはありますか?

somunia:『VIRTUAFREAK Vol.5』です。最初にオファーをもらった時に、「こんな錚々たるメンバーの中で、しかもトリでいいんだろうか」って、全然数ヶ月先のことなのに、すごく緊張してしまいました。でも主宰の方やVJの方が、どういう風に演出したらいいのか相談に乗ってくれて、あのステージが出来上がりました。

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