LINE、なぜデジタルトレカに参入? 「VVID」仕掛け人を直撃

LINE、なぜデジタルトレカに参入?

コロナ禍においても、表現者がマネタイズできる仕組みを

ーー動画や複数イラスト・写真など、多種多様なカード内のコンテンツについては、基本的に撮り下ろし・オリジナルのものを実装するのでしょうか。

上遠野:ジャンルやCPさんによって異なる、という感じですね。撮り下ろしで撮影をするものもあれば、プレスリリースでも発表したビックリマンのようなIP系は、既存のイラストを活用しつつ、新たにアニメーションを加える形などで制作しています。また、タレントさんについても、コロナの中で撮影自体が”密”になってしまうので、プライベートな空間でタレントさん本人がスマホを使って撮っていただいた「VVID」にしかない写真や動画をカード化したものもあります。また、取り扱う領域においても、各自治体などが発行しているマンホールのカードのようなものなども、扱っていきたいです。そもそも、このような多種多様な形式にしたのは、コロナ禍で表現者の方がライブやイベントなどができずに困っていることなども踏まえて、IP自体をいろんな形でデジタルで販売し、マネタイズできる仕組みが必要だと思ったからなんです。

ーーコロナ禍やそれ以降の時代を見据えたうえで、「コストをかけないもの=質の低いもの」という考え方ではなく、パッケージングの仕方やコンテンツの作り方などで質の高いものを作り、それを本人たちに還元するという目的もあると。

上遠野:デジタルだからといって全てのカードが無制限というわけでもなく、市場に出す枚数や販売期間もコントロールできるので、全部シリアル番号の入った枚数限定のものや、世の中に一枚しかない超プレミアなカードも存在します。それを実現するために、スクリーンショットの制限など、セキュリティ面にも最大限の注意を払いました。

ーーちょうど話題に挙がったので、セキュリティの部分についても聞かせてください。DRM(デジタル著作権)については、今回のプラットフォームを進める上でやはり技術的な課題にもなりましたか。

上遠野:サブスクリプションサービスも含め、世界基準でDRMの導入やスクリーンショットの制限がスタンダードになっているなかで、その基準を満たすことは開発側としては最低限の合格ラインでしたね。大変ではありましたが、結果的にはその合格ラインまで持っていくことができ、先行体験されたCPさんにも納得いただいています。

ーー先ほどは例としてビックリマンのような既存IPを挙げていただきましたが、他にも様々なジャンルの既存IPを使って、アーカイブをマネタイズしていくことができそうですね。

上遠野:映画やドラマはその好例かもしれません。過去の名作の印象的なシーンが静止画や動画でカードになっている、というのは斬新だと思いますし、CPさんにとっても、ストリーミングやパッケージ以外の収益源として活用いただけるのではないかと思っております。そのあたりは弊社の”スタンプ機能”とも近しい部分ですね。スタンプといえば、将来的には「LINE クリエイターズスタンプ」のような形で、パートナー企業や一般クリエイターが市場に参加できる機能の実装も検討しています。

ーーUGC的な機能も実装するんですね!

上遠野:インディペンデントな方がそこでマネタイズしていくことも重要だと考えています。構想段階ですが、サービスとしてはLINEスタンプのように、そこからスタークリエイターが誕生すれば嬉しいですね。あと、LINEとしては「LINE MUSIC」や「LINE LIVE」のような自社の他エンタメサービスとも連携して、様々なコンテンツを提供していければと思います。

ーーそれは楽しみです。ローンチ時のコンテンツについては、どのようなものを提供予定なのでしょうか。

上遠野:先ほどお話ししたビックリマンもそうですし、国内アーティストだとでんぱ組.incさんや虹のコンキスタドールさんのほか、男性アイドルや声優さん、アニメ・キャラクターなどを予定しています。そのほか、グローバルでも海外の大手芸能事務所などの交渉も進んでいます。また、今後はアイドル関連でも大きなサプライズがあるかもしれません。他サービスとの連携でいえば、「LINE チケット」でもお付き合いがあるスポーツ部門などについても、積極的に展開したいと思っています。

ーープロ野球チップスやJリーグチップス的なものですか。

上遠野:まさにそうです(笑)。それに加えて、将来的にはスタジアムのような試合会場限定のカードなども提供していけば、また違った楽しみ方もしていただけるのかなと。

ーーそれはイメージが湧きやすくていいですね。プレスリリースでは世界展開を目指すとありましたが、そのあたりのビジョンについても伺いたいです。

上遠野:まずは日本でローンチ後、LINEにとって親和性の高い地域ーー韓国、タイ、台湾などの東南アジア地域に展開し、欧米へと広げていくイメージです。そうやって展開していくことで、日本のコンテンツをサービスの展開と合わせて海外へ広げることができると考えています。将来的には、カードの売り上げを踏まえて海外ツアーの予定を組んだり、ストリーミングサービス以外でも海外からのマネタイズを見込める部分もあるかなと。

ーー先ほど「LINEチケット」の例が挙がりましたが、ほかに既存サービスとの連携について、現状言える範囲で考えていることはありますか。

上遠野:基本的には、LINEの公式アカウントはフルで使っていきますし、「LINE LIVE-VIEWING」ではライブにおける物販の代わりに「VVID」を使えるようにしたり、「LINE LIVE」の配信時に撮影したオフショットをカードとして販売したり、直近でローンチした「Face2Face」という、オンライン握手会のような1対1専用サービスに関しても活用できそうです。あと、昨年開催したLINEの事業戦略発表会「LINE CONFERENCE 2019」で発表したライブコマース機能とも相性が良さそうなので、そちらとの連携も考えていくつもりです。

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