声で繋がるマッチングアプリが無くした“無機質さ”の壁 “新卒社長”に聞く『koely』誕生の経緯

「人生を変える繋がりを作れているのは良いこと」

ーー単刀直入に、マッチングアプリをうまく使いこなすコツを教えてください。

村岡:「よろしくお願いします」が続くと受け手としても会話を続けるのが難しいと思うので、相手のプロフィールに合わせて質問してあげることが大事だと思います。その点、koelyは文字の羅列にならないので楽だと思いますよ。色んな話をぎゅっと凝縮できますし、合わないと思ったら次にいけばいいので。

ーーそんな村岡さんが選ぶ、おすすめのマッチングアプリは?

村岡:個人的に、系列会社(サイバーエージェント)が同じというのは関係なく「CROSS ME」は面白いと思います。元々、大学で地理学を学んでいたこともあって、地理的分布なども含めて考えるのが面白いなと感じるのかもしれませんが、会う人によるんですけど、渋谷だったらIT系の企業が多い、丸の内だったら銀行の人が多いとか、そういう地理的な分布ってあるじゃないですか。すれ違いからのマッチングだと、同業種の人や働き方が一緒の人に巡り合いやすいんです。例えば、「夜遅くまで仕事してるから彼女作りづらい」「生活リズムが合う人じゃないと付き合えない」とか、それぞれ価値観の合う人達と会えるという意味でとても良いなと思います。あと、音楽フェスが好きでよく行くんですけど、趣味が会う人はマッチしやすい性質もあり、「CROSS ME」を使うと半径2km以内でマッチングするので、相手がみんな同じフェスにいる、ということもありました(笑)。

ーーそれらのマッチングアプリでの経験を活かして、koelyに反映させた部分はありますか?

村岡:例えばなんですけど、「CROSS ME」のピックアップ機能はマッチ率が上がるので入れました。ただ他の真似だと一緒になっちゃうので、基本の機能をシンプルに使ってもらえるように、ホーム画面はゴチャゴチャしないようにしました。

ーー今の社会は何も接点がない中で出会え、マッチングアプリを使って結婚する人も多いですよね。

村岡:普通に生活していたら接点がないなかで、こんな風に様々な人達と出会えるのって、私はすごくいいなと思います。私自身、元々田舎出身で、リアルなプラットフォームでは出会いが少ないといった経験もしました。インターネットだと遠い人でも会えたり、知り合えたりするのは夢が広がると思います。それだけにとどまらず、恋人を作るとか、結婚するとか、一緒に仕事をする出会いさえも作れていると思っているので、人生を変える繋がりを作れているのは良いことだと思うし、自分たちもそういった機会を作りたいと考えています。

ーー若年層のユーザーが多いとのことですが、そんな若い方々の傾向の変化を分析すると?

村岡:対象ユーザーではないですが、未成年に関しては、SNSとマッチングアプリの境界線が曖昧になってきているような気がします。SNSに関しては、少し前だとmixiやモバゲーで出会うなんてことがあって、それらは未成年のユーザーが使うこともあって問題になっていましたが、今はみんなTwitterやインスタのようなSNSを使うけど、ちゃんと出会いたい人は成人してからマッチングアプリを使うようになってきていると感じます。ただ、マッチングアプリも放置をしていたら安心安全な体験を提供し続けることは難しいので、そこは業界全体で健全化させていきたいと思っています。人が集まる場所になればなるほど、ネットを通じた犯罪に巻き込まれる確率が上がってしまうのは避けて通れないのですが、本当に出会いたい人や、このプランを活用したい人にとって、一番良い選択肢になることが業界全体の使命だと考えています。

ーーなるほど。一方、上の世代では、マッチングアプリに対して抵抗感を持つ人や始めて冷やかされる人もいると思います。

村岡:年齢が高い人の方がマッチングアプリで出会ったと言いたくない、というのはあると思います。ネット上での出会いが怖くて不安なのも分かります。ただ、今の子は、『荒野行動』や『第五人格』のようなゲームで、知らない人と通話しながら何かをすることに慣れてしまっているので、意外と抵抗なく「知らない人と喋っているだけ」という感覚で使ってくれているようです。あと、私自身も周りも、昔より好きなものが多様化していて、何をしようが本人の自由、という雰囲気になっていると思います。「使う子は勝手に使うよねー」みたいな感じというか。

ーーちなみに、koelyのほかに作ろうと思っているサービスなどはあるんでしょうか。

村岡:スタートアップなので、まずはkoelyを成功させることを考えています。そうなれば、シナジーがある形で事業が生まれてくると思うので。

ーー最後に、村岡さんの将来の夢を教えてください。

村岡:長い目線ではあまり考えれてないんですけど、今まで組織で動いてきたので、その人たちとこれからも一緒にやっていきたいし、そのために自分が成長したいと思っています。なので、とにかく今はkoelyを成長させて、成功まで持っていくこと、ですね。それをやりきった後に、また考えていければ良いなと思っています。

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