「マスク」と「ドア開けツール」が急増……新型コロナ禍、クラウドファンディングで増えたキャンペーンを調査
ドアを開ける様々な形
素材が銅以外の物では、3Dプリンターを使って作ったものから、シリコンのものまであるが、これも個性的なものばかりだ。
靴べらみたいな形のもの、シンプルな形状の3Dプリントしたもの、非使用時には使用面が完全に収納できるホッチキスリムーバーみたいな見た目のドイツからののもの、ポリマー製のドイツからのキャンペーンもある。
ドアを開けるツールとしてもっと風変わりなものでは、ドアを足で開けるためにドアに取り付ける部品とか、専用カバー付きのつり革に特化したもの、スマホスタンドになってたり中に除菌スプレーを噴射しておけるヤツ、オーブンミトンみたいにして使うシリコン製のフィンランドからのものもある。
おわりに
欧州ではこれまで街中でマスクを着用する人はアジアからの観光客ぐらいなものだったが、コロナウイルスを受けて現地の人も外出時に着用する人が増えてきた。それだけコロナウイルスの影響が強いと言えるだろう。マスク需要が高まる中で、クラウドファンディングサイトでもマスク系キャンペーンが増えたのも自然の成り行きだ。
同様に、フィンランドでは不特定多数の人が触ったものを素手で触らないよう、公共の場で手袋を着用したり、袖を使ってドアを開けたりする人も増えてきた。寒い季節にはそれでも問題無いかもしれないが(ヘルシンキの今日の気温は+7度だ)、気候が暖かくなるにつれて手袋をするのは暑苦しく感じられるようになるだろうし、使い捨てではない手袋は店内で使用禁止という店も国によってはあるようだ。そのような状況ではドア開け/ボタン押しツールが便利なのかもしれない。そのようなことも見越してのドア開け/ボタン押しツール系キャンペーンの増加なのかもしれない。
クラウドファンディング好きの読者の中には、今回駆け足で紹介したマスクやドア・ボタン・ツールの中に出資したいキャンペーンを見つけられた方もおられるかもしれない。だがもし出資される際には普段以上によくよく注意して戴きたい。
特に発送時期は要確認する必要がある。マスク系キャンペーンを例にすれば、2月や3月といった比較的早い時期にローンチして、資金調達に成功しているものであっても、発送は5月、6月、7月となっている。なので今から出資できるキャンペーンならなおさらすぐに手に入るとは思わないほうがいいだろう。更にはいくらキャンペーンが成功したってコロナが長引けばそれだけ製造、配送がうまくいかないリスクが高まり、結果的にリワードの発送が遅れたり、最悪の場合半ばで頓挫するケースも出る可能性がある。
それに加えて、ここまで紹介してきた約50キャンペーンの中にはコロナで生まれた需要に便乗して、金儲けのためだけに適当なキャンペーンを行っているものもあるかもしれない。常日頃から既存他社商品を高額で販売しようとしたり、他社のプロモーション動画を流用したキャンペーンも見られたりする。平常時から心がけるべきだが、出資前にはよくよく自分で関連事項やキャンペーンオーナー、コメント欄などをよく調べてからするようにしよう(かく言う筆者も時折うっかり変なキャンペーンに出資してしまったりするのだが……)。
どちらも見極めが難しいが点だが、もしこの機会に出資される際にはいつも以上に注意が必要だろう。外出規制で時間が有り余っているという方はマスクやツールを自ら作ったり、いっそのこと自らキャンペーンを立ち上げてみるのも……ありかも?
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■Yu Ando
フィンランド在住フリーライター。執筆分野は、エンタメ、ガジェット、サイエンスから、社会福祉やアートに文化、更にはオカルト系まで幅広い。ライター業の傍らアート活動も行っているほか、フィン・日両国の文化を紹介する講演を行うことも。趣味はガジェットへの散財。
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