アメリカ、新型コロナ対策でAmazonら大手企業に課税検討か 低所得層の救済目的で
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックで危機的な状況にある、米ワシントン州シアトル市議会の予算委員会は4月6日、Amazonら同市に所在する大手企業への課税を検討することを、満場一致で決定した。
大手企業を狙い撃ちで課税
これは、年間の給与が700万ドル(約7億円)を超え、収益が5億ドル(約5億円)以上の企業に対して新たに1.3%の法人給与税を課すという法案だ。非営利団体、食料品店、中小企業、行政機関は免除される。
徴税対象期間は2020年6月1日からだが、2020年と2021年分については、納税は2022年2月まで猶予するとするという。
新型コロナウイルスの世界的大流行のさなかでも収益を上げている最大手企業にのみ課税し、2億ドル(約200億円)を、COVID-19関連の救済目的に充てる計画だ。
『KOMO News』は、同法案についての議論は“白熱”することが予想されると報じている(参考:https://komonews.com/news/local/seattle-city-council-to-consider-business-tax-proposal)。
記事内で、タミー・モラレス議員は「多くの家族が収入が絶たれ、食料を買えなくなる程、前例のない失業危機にあります」と窮状を訴える。
同法案では、今回の危機で収入を失った低所得の10万世帯へ、4カ月間で4回、500ドル(約5万円)の小切手を支給する。COVID-19関連の救済目的の支給は、今年5月までに開始することを目指す。
シアトル市行政との熾烈な対立
急進派のクシャナ・サワント議員は「Amazonのような企業は、必需品を配送しているので、課税すべきではないと言うメディアや政治家がいるが、仕事をしているのは、労働者であり、その仕事から利益を得る上層部や億万長者ではない」とツイート。
そして「Amazonやその請負業者はCOVID-19で利益を上げている一方で、労働者への防護具の支給、危機手当、有給休暇、育児への配慮が欠如している。その代わりに、物を言う労働者に対して報復した」と舌鋒は更に鋭さを増した。