YouTube、TikTok風の新機能「Shorts」を開発中 存在感増すTikTokに対抗か

YouTube、TikTok風の新機能「Shorts」を開発中 存在感増すTikTokに対抗か

 近年のモバイルカルチャーを考察するうえで、欠くことができないアプリはTikTokだろう。2016年に中国でサービスが始まり、2017年頃から世界展開するようになって、今や伝統的なSNSを脅かす存在となっている。そんなTikTokに対して、YouTubeは対抗策を練っているようだ。

YouTube Musicを活用

 テック系メディア『The Verge』は1日、YouTubeがTikTokライクな新機能を開発中であると報じた。「Shorts」と名づけられた新機能は、ユーザが撮影した動画に音声や楽曲を追加編集できるというもの。ShortsとTikTokの違いは、前者は追加編集できる楽曲としてYouTube Musicで視聴できるものが使えることだろう。

 アメリカの大手メディア『CNBC』もShortsについて報じており、同機能は今年後半にリリースされる予定、と伝えている。同メディアは、今月後半に配信予定のポッドキャストの制作にあたって、YouTubeのCEOであるSusan Wojcicki氏にインタビューしている。そのインタビューにおいて、同氏は15秒程度のショートビデオ方式に非常に興味をもっており、この方式について考えるべき、とコメントしている。このコメントは、TikTokとShortsを意識した発言と見ることができるだろう。

ネットワーク効果を超えるTikTokのリミックス効果

 YouTubeという世界最大の動画プラットフォームが対抗策を講じなければならないほどに成長したTikTokの強さの秘密については、US版『TechCrunch』が2日に公開した特集記事で論じている。その記事では、伝統的なSNSアプリの強さの秘密であった「ネットワーク効果」では説明できない強みが、TikTokにはあることを指摘している。

 「ネットワーク効果」とは、SNSアプリのようなユーザのネットワークがサービスの価値を大きく左右する製品やサービスに見られる現象を説明する概念である。TwitterやInstagramは、そのサービス内容以上に「ユーザ数が多いこと」が大きな価値にある。こうしたネットワークの規模によって新たな価値が生じることが、ネットワーク効果と呼ばれる。ネットワーク効果が生じている業界においては、後発の製品やサービスは例え機能や内容が優れていても、シェアを奪うことが難しくなる。こうしたネットワーク効果の最たるものが、GAFAによる市場支配だろう。

 動画共有というネットワーク効果が生じる市場においては、本来ならばTikTokのような新興勢力が台頭する可能性は低い。にも関わらずTikTokが大きく成長できたのは、TwitterやInstagramのような伝統的SNSアプリから直接的にシェアを奪ったからではない。そうではなくて、ユーザが自分で撮影した動画に楽曲を追加するというTikTokのサービス内容が、既存市場にあるコンテンツをリミックスして価値を創出するという「リミックス効果」を生み出せたからなのだ。

 そして、こうしたリミックスによる価値創出が、ユーザのクリエイティビティを刺激して、さらにユーザを増やすという好循環を生み出すにいたった。TikTokは、「リミックス」という既存市場に言わば寄生する方法を見つけたことで成長できた、と言うことができるだろう。

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