『テラスハウス』東京編・第38話ーー快の厄日がもたらした、テラハ史上類を見ない“修羅場”

『テラスハウス』東京編・第38話レビュー

 メンバー全員が帰宅し、ダイニングに揃ったところで、この“コスチューム事件”の話を切り出す花。「快さ、洗濯回すときにさ、洗濯機に洗濯物入ってたでしょ?」。快は目を泳がせながら、「うーん……俺はそのまま入れちゃって、中、見てなかった」と答えた。コスチュームが使い物にならなくなってしまったことを花が報告すると、一同に動揺が走る。思わず俊幸の口から「10万キツいな……」と漏れるが、金銭的な問題というよりも、念願の東京ドームでの試合やタイトルマッチなどにも着用したというプライスレスな面の方が重大だった。

 ダイニングが緊張で張り詰める中、ビビが「もしかしたらこれは、花のこれからのもっとさ、いいコスチュームを作って、もっといいリングに上がれるっていう機会なんじゃない?」と慰めの言葉をかける。しかし花は、そういって心配してくれる気持ちはわかると前置きしつつ、「今、私が話をするべきなのは、ビビじゃないと思ってる」とバッサリ。快は、小さな声で「マジでごめん」と謝った。誰しも生きていたら、うっかりしていて、やらかしてしまうこともあるとフォローに回るビビだが、この発言が火に油を注ぐ結果に。「今、ビビのその言葉は聞きたくないから!」と怒りをあらわにする花。どうにかこの場を収めようと、努め続けるビビだが、イライラを募らせた花は、快に「てか、てめえが何か言えよ!」と激しく怒鳴りつける。憤る花は益々ヒートアップするばかり。とうとうビビが、泣き出してしまった。

 花は快に向って、「一緒に住むんだったら人のこともっと考えて暮らせよ! 限界だよ、もう!」と絶叫。そして、と大粒の涙をポロポロと流した。快が「本当ごめん、“ごめん”しか言えない……」と謝るものの、花の怒りは全く収まらない。「自分はさ、フラフラ、フラフラ、過ごしてさ。わかんないよね? 死に物狂いで、死ぬほど痛い思いして、血流して骨折って、頑張ってお金稼いでさ……そうやってる人の気持ちなんか。『人のこと笑顔にしたい』って言って、スタンドアップやってるかもしんないけどさ。普段一緒に住んでる人を笑顔にできないヤツがさ、これから先、何百人、何千人の前に立ってさ、人のこと笑顔にできるわけねえじゃん! ナメんのもいいかげんにしろよ!」と大声で怒鳴りながら、吐き捨てた。

 ビビはあまりのショックに「ちょっと私、一回上に行く」と声を震わせ、2階に上がってしまう。「マジでごめん」と謝る快のキャップに手を伸ばした花は、「ふざけた帽子かぶってんじゃねえよ!」という言葉と共に、そのキャップを頭から引きはがし、床に投げ捨てた。そして「チッ」と舌打ちをして、その場を後にする花。残された快は、思わず英語で「一体何なんだ」と呟く。以前から快の生活態度や仕事に対するモチベーションに不信感を募らせていた花だが、そこにこのような事件が重なって、一気に怒りが爆発してしまったようだ。

 快、俊幸、志遠、夢が残ったダイニングは、静まり返る。ふと、夢が快に声をかけ、「『ごめん』って思って、『弁償したい』って思うんだったら、それは行動で示すべきかなって思う」とやんわり意見した。快には、常々人の気持ちを考えない言動が見られ、その結果が今回に繋がったと諭し、もっと考えて行動すべきだと促した。「コスチューム、どこで買えんだろうな?」という俊幸に対し、志遠は「シェアハウスの生活の、たとえば水回りとかを積極的にやる(掃除する)とかのほうがいいのかなって」と花が色々なことの積み重ねで怒っていることを察して、解決方法の一つを提案するのだった。

 第38話では度々、金銭問題がピックアップされ、同時にシェアハウスで暮らすことの難しさも露呈した。こじれた関係の修復はできるのだろうか、そして花のコスチューム問題は一体どうなるのか。次回に注目したい。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■番組情報
『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』
2019年5月14日よりNetflixにて毎週火曜に新エピソード先行配信(4週に1週休止)
2019年6月11日よりFODにて毎週火曜深夜0時に配信予定(4週に1週休止)
2019年7月よりフジテレビにて、地上波放送予定
(c)フジテレビ/イースト・エンタテインメント

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