加藤ナナ、憎めない人柄と愛らしさ YouTube「かとちゃんねる」の“エンタメ性”を徹底解説
また、現時点の“神回”といえる企画が、特技のサッカーで20回連続リフティングに挑戦する動画「【検証】サッカー歴6年のモデルはリフティング何回できる?」。本番前に「加藤のカッコいいところ見せちゃおうかな〜。惚れんなよ?」と、大物選手ばりに大見得を切るのだが、なんと9回目であえなく失敗。「ちょっ!$%#&?」と謎の奇声を発して膝から崩れ落ちたかと思えば、番組ディレクターに泣きの一回を懇願するなど、エンターテイナーとして100点満点中120点オーバーの流れを見せてくれた。
あわせて、前述した「#かとうごはん」も動画化が実現。同企画では、好きな人への“カレごはん”として、彼女の祖母の得意料理だという筑前煮の腕前を披露した。途中までは順調な手つきで調理を進めていた加藤だが、火が通りにくいという鶏肉をあらかじめ炒めながら、「できる女っぽい?」と得意げに口にした直後に、スタッフ陣から「鶏肉でかくない?」とまさかのツッコミが。実は、加藤は鶏肉を筑前煮の一口サイズではなく、唐揚げほどの大きさで火にかけていたのだ。すかさず、「連載が打ち切りになっちゃう」と大慌てでリカバリーを試みるなど、またしても爆笑必至な“問題企画”にまでなってしまっていた。
先程の彼女の言葉を借りれば、精一杯に余裕な表情で“できる女”を演じるものの、そこには必ずオチがついてくる。それでも、“終わりよければすべてよし”と言わんばかりに、最後には満足げな笑顔で動画を締めくくる加藤。その憎めない人柄や愛らしさこそ、視聴者が「かとちゃんねる」に求めていたエンタメ性であり、『月とオオカミちゃん』を通してもっと見ていたかった彼女の魅力に違いない。『月とオオカミちゃん』共演メンバーから、ムードメーカーとして親しまれていたのにも大きく頷けるのではないだろうか。
さらに、同番組で、二人きりでの買い出しにとおるを誘った際の「食材を買いに行こうと……思うんだがし」という赤面しながらの発言や、「かとちゃんねる」の締めくくりの挨拶「お達者で〜!」など、“かとう語”と呼ばれる独特な言い回しもまた、動画を観るうちに癖になるポイントのひとつだ。そのほかにも、男子でさえ思わず惚れ惚れと見入ってしまうスキンケア・メイク動画や、YouTuberの定番といえる「100の質問に答える」企画など、彼女を構成するあらゆるパーツが詰め込まれた場所こそ、「かとちゃんねる」なのだろう。
本日で最終話を迎える『月とオオカミちゃんには騙されない』。先週末で残念ながら、加藤の復活がないことが発表された。果たして、とおるの最後の決断を通して、彼女の想いは少しでも報われるのだろうか。どんな結末を迎えたとしても、「かとちゃんねる」では加藤ナナが幸せを届けてくれる。いつ、どんな時でも、笑顔になりたい時には「かとちゃんねる」まで戻ってこよう。
◼︎一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも数少ないシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter:@kota_ichijo