『さよならプロポーズ』シーズン2・第1話ーー彼氏の“収入問題”&彼女の“出産問題”から恋人として最後の旅行へ

「結婚する人はリュウイチ君がいいなって思ってる」

 メキシコ旅行1日目、結婚に踏み切れない“理由”を正直に打ち明けたリュウイチ(30歳)に、ユカリ(32歳)もまた自身の思いをまっすぐに伝えた。

 1組目のカップルは、俳優業をしながらデザイナーとして働くリュウイチと2歳年上の彼女ユカリ。二人はそれぞれインタビューで、恋人のままでいるわけを語った。リュウイチは収入面に不安があり、結婚を躊躇っている。一方ユカリは、出産を考慮すると早く結婚したいと考えていた。一度結婚の話でぶつかって以来、お互いにその話題には触れていないリュウイチとユカリ。仲睦まじいカップルに見えるが、ユカリは「愛をとるのか、現実的な年齢をとるのか。(場合によっては)別れる覚悟はある」と宣言していた。

 7日間の旅の舞台はメキシコ。メキシコシティ国際空港についた、リュウイチとユカリの表情は明るい。だが、ユカリが「この1週間で(二人の今後が)決まるのが、複雑でドキドキする」「どうなるんだろうね」と声をかけた瞬間、リュウイチの顔がこわばってしまう。「なんで無言なの?」と問い詰められても、リュウイチは答えられない。ホテルに到着すると、2人の間に笑顔が戻るが、ふとした瞬間に無言になってしまう。ユカリが「嬉しいけど、この後のこと考えると……気持ちが半々かな」と呟いたときも、リュウイチは彼女の顔を黙って見つめるだけだった。気まずい空気を打破するかのように、リュウイチは明るい声で「買い物行く?」とユカリを誘ったが、これまでも、こんな風にして、結婚の話題を避けてきたのではないかと思うと、心が落ち着かない。

 メキシコの街を歩く二人は「ごめんな、初めての旅行がこんなんで」(リュウイチ)「ね、びっくりだよね。最初でこれって」(ユカリ)と初めての海外旅行にして、恋人として最後の旅行について語らう。

 夕食のとき、二人は再び無言になる。話を切り出そうとするリュウイチの目からは、自然と涙がこぼれ落ちた。ユカリが優しく、「いいよ、何でも言って」と声をかけると、リュウイチは収入面の不安から、結婚に踏み切れない正直な思いを吐露。ユカリはそれを静かに聞き入れていたが、リュウイチの「自分じゃなくて、他の人のほうがいいんちゃうかなって、よぎったりすんねん」という一言に、眉をピクリと動かす。「自分以外の人と」というリュウイチの発言がショックだったのだ。

 ユカリもまたまっすぐに彼を見つめながら、率直な気持ちを伝えていく。「私はリュウイチ君と一緒にいたい」「結婚する人はリュウイチ君がいい」「産むならリュウイチ君の子どもがいい」。そしてリュウイチを想っているからこそ、「別れ」の選択肢も持っていた。「リュウイチ君が私と結婚するために今の夢を諦めるって言ったら、その夢の邪魔になるんだったら、別れたほうがいいと思ってる」。

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