『ドラ恋~Bang Ban Love~』第7話ーー残酷すぎる配役に涙の嵐&一途だったモテ男の心境に変化が!?
ここまで主演2人は、ほとんど言葉を交わしていない。いろんな感情が入り混じり、泣きじゃくるはづきに対して、すかさずフォローに入るほくと。「はづきを選んで良かったわ、ありがとう」と優しく口にし、密会稽古の件に触れる。「はづきには、一緒に演りたい相手がいた訳じゃん。だから俺が邪魔したらいけないかなって思って。ペア決めのとき迷った」。自身の本心を押しつけがましくなく伝えられる、ほくとの優しさと強さ。ほくとのこの姿が、少女漫画で言うところのいわゆる“永遠の二番手”男子のひたむきさと重なる。ただ多くの場合、悲しいかな、この二番手男子の健気さは実ることなく、むしろ主演2人の急接近を加速させてしまう起爆剤になりがちである(今回もその傾向に……)。
翌朝、迎えた本番。リハの際に、たすくと向き合ってワンシーンを撮るだけで、涙が溢れ出すはづき。たすくが「どうしたん?」と聞いても、「恵子の気持ちを想うと辛くて。なんでもない。ごめんね」と一生懸命ごまかそうとする。彼女自身のやるせなさ、辛さを瞬時に察知したたすくは、はづきに頭を下げた。「たすくくんと演れて嬉しいから。全力でやる」とどこまでも健気なはづき。それを受けて、少し反省したのか、自分自身に暗示をかけるかのように台詞を繰り返すたすくは、やっと何かが振り切れたようだ。
「しんどそうな顔してたけど大丈夫?」と言うはづきに、「いや、そりゃしんどいやろ。大好きやから、今」と彼女の目をしっかりと見て答えるたすく。はづきは「無理してそんなこと言わなくていいよ」と言わんばかりに少し困った反応を見せた。この微妙なはづきの表情を読み取って、すかさずたすくは「いや、ちゃうで。神谷恵子だけじゃなく、この今、木村葉月が大好きやで」と告げる。少し怯えながらも、安堵したような表情で、はづきは「はづきも好き、まじで好き」と全身全霊でたすくにぶつかった。誰も悪くないのに、どうしようもなく切なくて、痛いくらいの辛さを抱えるのがまた恋愛の一興でもある。
元々“好きになってはいけない相手”を忘れようと、自分自身の気持ちにブレーキをかける恵子とはづき、自分以外の相手に想いを寄せる恵子を一心に想い続ける直輝とほくと、ここまでは役の設定がリアルと限りなく近かった。そして、ここに本番を撮り終わり、新たなる展開が加わる。
ようやく、自分の気持ちに素直になり、本当に大切なものに気づいた大樹とたすくの心の動きが重なるのだ。「昨日まで、はづきちゃんと演じられるかなと思っていたのに、演ってみたら、全然違う自分が出てきて。神谷恵子が好きなのか、木村葉月が好きなのかわからないけど」とコメント。続けて、「だからこそ今は、はづきちゃんを観ると、すごく愛おしさが湧いてくる。次、自分がペア決めのときに、誰を指名するかわからない」と心境の変化を明かし、「二択です、みことちゃんかはづきちゃんか」と今の素直な気持ちを語っていた。
そして、ようやく自分の想いを確信できたのは、涙ながらに「たすくくんのことが好きだなって」と呟くみことだ。モニター越しに本番を見つめるみことの心情を思うと、実に切ない。一方、目の前でキスシーンを見せつけられたほくとは「まだ諦めないっすね」と引き続き男気を見せていた。ここに来て、固定されつつあった矢印が、またも錯綜し始める。
番組史上初となるベットシーンがあるという次話の台本。予告編で流れていた、たすくが嫉妬している相手が一体誰なのか。放送が待ち遠しくて仕方ない。
■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで2019年の劇場鑑賞映画本数は約80本。Twitter
■番組情報
『恋愛ドラマな恋がしたい~Bang Ban Love~』
毎週土曜よる11時よりAbemaTVにて放送
放送チャンネル:AbemaSPECIAL
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(c)AbemaTV