Netflixが急成長の裏で力を入れる、“アクセシビリティの向上”の意義
Netflixスタッフが語る「アクセシビリティに対する意識」
Netflixが運営する「NETFLIX JOBS」というウェブサイトでは、2018年11月にNetflixにおける音声ガイドに対する見解を語る目的で音声ガイド制作のプロジェクトマネージャーであるエリカ・クラム氏が登場している。
この「My Journey into Audio Description At Netflix」という記事の中で彼女は、「音声ガイドにアクセスできることで視覚障害のある人でも同じようにお気に入りのテレビシリーズや映画についての会話に参加する機会を持ち、素晴らしいものを見るのと同じ喜びと興奮を共有できる」と語っている。彼女が音声ガイド制作の代表として自社のサイトにコメントを出していることから、Netflixという会社自体がこのような意識で音声ガイド制作に取り組んでいることが予想される。
また、『THE HINDU』の「Netflix’s Kathy Rokni describes how accessibility is a craft of its own」という記事の中でNetflixのグローバル化ディレクターであるKathy Rokni氏が登場した際には、社内にグローバリゼーションやアクセシビリティに取り組む専門の部署があると語り、アメリカ国内のみならずサービスを提供する様々な国の状況を鑑みながらより良いサービスのために従事していることを明かしている。
Netflixの動画ストリーミングサイトとしての地位が高まる中で、自社の中にアクセシビリティ向上に取り組む専門部署を置き、安定したサービスを提供していけるのは大企業ならではのことなのかもしれない。
障害者だけを対象にしたサービスはこれまでにも沢山生み出されてきたが、一方で利用者の少なさや収益の問題などからあまり長続きしないことが多かった。
しかし、今回ご紹介したNetflixでの取り組みのような、障害者だけでなく健常者も便利に使える機能を提供することでより障害者が長く利用できる環境が整うと考えられる。“バリアフリー”ではなく“ユニバーサルデザイン”的な発想でみんなが便利に利用できる、ということが今後アクセシビリティの向上に取り組むにあたって必要になってくるかもしれない。
また一方で、近年では様々な動画ストリーミングサイトが存在しており、どのサイトが良いのか迷ってしまう人も多いのではないだろうか。そんな時に障害者に対する配慮を積極的に行なっているサービスを選ぶことで、身近な社会貢献もできるかもしれない。