Apple TV+オリジナル作品『サーヴァント』、盗作として訴えられる 監督は真っ向から否定
2019年11月にサービスを開始したオン・デマンドの動画ストリーミングサービスApple TV+。精力的にAppleオリジナルシリーズをリリースしており、その一つがサイコスリラー『サーヴァント ターナー家の子守』(原題:Servant)だ。
しかし、同作が『ザ・トゥルース・アバウト・エマニュエル』の盗作だとして、映画監督のフランチェスカ・グレゴリーニ氏は2020年1月15日、ロサンゼルスの米国カリフォルニア州中部地区連邦地方裁判所で著作権侵害の訴訟を起こした。
グレゴリーニ氏は、Apple、製作したM・ナイト・シャマラン監督と同監督の製作会社ブランディング・エッジ・ピクチャーズ、共同製作者トニー・バスギャロップ氏を相手取り、損害賠償とAppleが得た利益の支払い、配信の差し止め命令を求めている。
争点は著作権侵害だが、ジェンダー差別の問題も
『Vice』は「『サーヴァント ターナー家の子守』に関するほとんど全てが『ザ・トゥルース・アバウト・エマニュエル』からの盗用だ」という、フランチェスカ・グレゴリーニ監督の主張を紹介し、明らかに問題があるのでは、と指摘している。
さらに相違点は、『サーヴァント ターナー家の子守』が男性チームにより作られたこともあってか、男性目線が強く出ており、子供を亡くした女性への同情という側面がなくなっているということだ。
争点は著作権侵害だが、ジェンダー差別の問題も浮かび上がってくる(参考:https://www.vice.com/en_us/article/z3bnq8/m-night-shyamalan-servant-is-being-sued-for-ripping-off-a-2013-francesca-gregorini-film)。
M・ナイト・シャマラン監督は、真っ向から否定
両作品共に、17歳のベビーシッターと亡くなった赤ちゃんに代わる人形が登場する。
グレゴリーニ監督は『サーヴァント ターナー家の子守』が『ザ・トゥルース・アバウト・エマニュエル』のプロットと同じ映画表現を使用しており、実質的に似たフィーリング、ムード、テーマになっていると主張している。
しかしM・ナイト・シャマラン監督らは『サーヴァント ターナー家の子守』が『ザ・トゥルース・アバウト・エマニュエル』のリリースされる以前に、既に製作中だったとし、類似性は偶然だとして否定している。
『サーヴァント ターナー家の子守』は「Apple TV +」が同シリーズの製作を現在も進めている。
『MacRumors』は「『サーヴァント ターナー家の子守』がまだ製作途中であり、最終回まで配信されていないことを考えると、問題の映画にどれだけ似ているかは、まだわからない。映画のプロット要素は、かなり異なっているように思われるため、訴訟がどのように進行するかは明確ではない」としている(参考:https://www.macrumors.com/2020/01/15/apple-shyamalan-servant-lawsuit/)。