SixTONES×Snow Man、最高の好敵手が繰り広げる美しき競争 それぞれのデビュー曲MVから感じたこと

 アイドルのMV、しかもデビュー曲としては、顔が見えにくいというのは、かなりの挑戦作と言える。だが、そこに彼らの覚悟が見え隠れした。これまでのアイドル像ではなく、SixTONESという新たな領域を築いていくのだという意気込みが感じられる。

 撮影には、実際の水、雨、炎を用いていると概要欄に記載されていた。思い通りには動いてくれない自然のアイテムを使うこと。それは、そのまま彼らの挑む“一筋縄ではいかない”世界を表しているかのようだ。今後は彼らが動けば、大きな飛沫が上がることだろう。距離を間違えればやけどをすることもある。だが、それでも彼らは歌い、踊り続けることを選んだ。その気合みなぎる表情に、松村北斗がドキュメンタリー『RIDE ON TIME ~時が奏でるリアルストーリー~』((ジテレビ系)で語った「目指すは、世界的人気者」という言葉が脳裏をよぎる。

 デビューシングルには、“Snow Man vs SixTONES”または“SixTONES vs Snow Man”の文字が記されている。その文字通り、彼らの関係は共にジャニーズJr.として活躍してきた仲間であり、ジャニーズのこれからを担う同志でありながら、トップアイドルを目指す上でのライバル。そして、その関係性はグループ内のメンバー間にも成立している。誰よりも認める相手だからこそ、最高の好敵手になる。

 近年、日本では“みんなが1等賞”という風潮もあった。ナンバーワンを目指すよりも、オンリーワンに……と。だが、それはナンバーワンを目指すのをやめようと勧めるものではない。ナンバーワンになろうと努力する中でこそ、オンリーワンが磨かれていくということ。SixTONESとSnow Manの切磋琢磨を見ていると、共に闘うライバルがいることそのものが幸福だと感じさせてくれる。

 2020年、彼らがメジャーデビューする年に、日本ではアスリートたちの祭典も行なわれる。喜びに湧いたり、悔し涙を流したり……清々しい勝負の世界が繰り広げられるその年に、SixTONESとSnow Manの美しき競争を見守り、全力で応援したい。

(文=佐藤結衣)

Snow Man「D.D.」MV (YouTube ver.)
SixTONES - Imitation Rain (Music Video) [YouTube Ver.]

※高地優吾の「高」は「ハシゴ高」が正式表記。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる