TOKIOと嵐が“YouTuberデビュー” 初々しくも刺激的な動画に見るクリエイターへのリスペクト

 これら動画の特筆すべきポイントは、編集もテレビ的なものではなく、YouTuber的なメソッドに則って作られていることだ。状況に応じて細かくフォットを変えてインサートされるテロップや、発言を際立たせる印象的な効果音、困った表情をした時に画面がモノトーンになる演出など、短い再生時間でインパクトを残してきた、人気YouTuberの動画のエッセンスが多分に詰め込まれている。あえてプラットフォームに合わせるメタ的な遊びとも受け取れるし、日々動画で視聴者を楽しませているYouTuberへのリスペクトとも言えるだろう。

 ジャニーズのトップアイドルがYouTuberのようにミニゲームにチャレンジしている動画は世間的なインパクトも大きく、12月17日17時時点で「決めろ!ボトルフリップ」は96万回再生、「イヤホンガンガン伝言ゲーム」は58万回再生を記録している。ジャニーズは少し前まで、ネットでのコンテンツ配信を限定的なものにとどめていただけに、ジャニーズJr.のYouTubeチャンネル活動、そして嵐の各種SNS解禁を含めた今般のスピード感のある広がりは、ファンを驚かせ、同時に喜ばせる施策になっていると言えるだろう。

 今回の動画はあくまで特番とセットの限定的なものだが、それぞれに巨大なファンコミュニティを抱えているジャニーズのトップアイドルたちがこうした動画を量産し始めたとしたら、YouTubeの「急上昇ランキング」に上がる顔ぶれは大きく変わるかもしれない。

■こじへい
1986年生まれのフリーライター。芸能・スポーツ・音楽・カルチャーのコラム・リリース記事から、ゲームのシナリオ、求人広告まで幅広く執筆中。

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