任天堂の『Switch』中国展開はゲーム市場をどう変える? 海外メディアは厳しい見方

 任天堂は、12月10日から中国でゲーム機『Nintendo Switch』を販売する。価格は2099元(約3万2000円)で、日米とほぼ同じだ。

 任天堂は過去2回、現地法人を軸に進出を図ったが、いずれも失敗し、ゲーム機の中国展開は2003年が最後になっていた。これまでも、ソフトの供給は行っていたものの、ゲーム機プレイの中国浸透を目指し、三度目の正直で万全を期して、中国のゲーム大手であるテンセント(騰訊控股)と販売代理店契約を締結した。

プレイ可能なゲームは1つだけ

 この任天堂の動きには、海外メディアも敏感に反応している。『Slashgear』は「中国ローンチ時『Nintendo Switch』のゲームは1つだけ」という見出しで報じた(参考:https://www.slashgear.com/nintendo-switch-in-china-will-have-only-one-game-at-launch-next-week-04602240/)。

 中国内で正式販売の開始が承認されたこと自体はニュースだが、発売時にコンソールでプレイできるゲームが『NewスーパーマリオブラザーズUデラックス』1つしかないことを考えると、おそらく世界の販売数にほとんど変化はないだろう、と同メディアは予測した。

 中国は世界最大のゲーム市場だが、それはPCとモバイルに限ってのこと。コンソールは最近まで国から禁止されていたため、任天堂のようなその道を知り尽くしたベテランにとっても、中国市場への参入は困難を極める。だからこそ、中国の大手ゲーム会社テンセントと提携し、ついにその成果を目にすることができた。『Nintendo Switch Lite』も、販売に向け中国政府の審査を受けている。

 政府によって課された制限があったため『Nintendo Switch』が中国のゲーマーの体験をどれほど変えるかを観察することは実に興味深い。

 オンラインコンテンツとトランザクションには制限の可能性がある。世界の他地域の『Switch』とは非常に異なり、コンソールを伝統的に冷遇している市場のために、これだけの手間をかける価値があるかは、まだ分からない。

関連記事