松坂桃李や高橋一生もハマる、芸人YouTuber「ガーリィレコードチャンネル」はなぜ人気?

 キングコング・梶原雄太(カジサック)やオリエンタルラジオ・中田敦彦など、名のあるお笑い芸人がYouTubeで実績を上げるケースが目立ち始めている。そんな「テレビ→YouTube」への人材輸出が続くお笑い界において、「YouTube→テレビ」という、いわば逆輸入的なルートをたどって人気を集めている、異端のお笑いコンビが「ガーリィレコード」だ。

 ガーリィレコードは、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の高井佳佑(ボケ)とフェニックス(ツッコミ)からなるお笑いコンビ。2人共に芸歴8年目の27歳で、若手の部類に入る。彼らと同期芸人の秋山太郎、雨野宮将明の4人が運営する「ガーリィレコードチャンネル」は、現在登録者数61.5万人で、急速に人気を高めている。

 今年に入って2月25日放送の『しゃべくり007』で高橋一生が、9月17日深夜放送の『ウチのガヤがすみません』(共に日本テレビ系)で松坂桃李が、それぞれ同チャンネルのファンだと公言したことで、高井とフェニックスの2人が両番組お呼ばれするなど、今、テレビの世界でも注目を集めているのだ。そこで本稿では、彼らの動画およびチャンネルの魅力を紐解いていきたい。

 まずはわかりやすいところで、ガーリィレコードには必殺の飛び道具がある。それは、ボケ担当・高井によるモノマネだ。モノマネにネームバリューは関係なく、知名度がなくてても、似てさえいれば見る人の琴線に触れることができる。「ものまね王座決定戦」や「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」にて、無名のタレントが披露するモノマネ芸に思わず笑った経験がある人は多いはずだ。そして、高井のモノマネは抜群に似ている。特に藤原竜也とMr.Childrenの桜井和寿のモノマネは出色のクオリティ。藤原竜也のモノマネに至っては、本人から数多いる藤原竜也モノマネ芸人の中で唯一の公認を頂戴するほどだ。そこに、芸人らしい小ネタや不条理なやりとりが重なるのだから、それは面白いはずだ。

 ミスチル桜井のモノマネがいかにそっくりかは、「I ♡Uツアーの時の『名もなき詩』を再現しようと努力してみた feat.奏多56」という動画を見ればすぐにわかる。声や仕草が似ているのはもちろん、ライブ中に加える微妙なアレンジも完全にコピーしていて、コメント欄は「このモノマネで一生食っていける」「サビに入ってやっとLIVEの音源じゃないってわかった」「作業しながら聴いてたら途中から脳が本人だと思いこんでしまった」など絶賛の嵐。藤原竜也モノマネに関してはシリーズ化されており、いずれの動画も軒並み高い評価と再生回数を誇っている。こうしたキャッチーネタが、ガーリィレコードチャンネルの入り口の役割を果たしている可能性は高い。

 この藤原竜也シリーズをはじめとしたいくつかの「定番の型」ができているのも、彼らの強みと言えるだろう。シリーズものは「深夜のテンションシリーズ」「仕送り開封シリーズ」「ゲームモノマネ」など様々。中でも、「ミット持ちする米津玄師」「米津玄師の『Flamingo』を歌ってたら…」「米津玄師を奪われる藤原竜也」といった動画からなる「米津玄師シリーズ」は、いずれも100万回再生を超える人気ぶりだ。一つのシリーズにおいて回を重ねるごとにエスカレートしていく様は、コント番組のような面白さがある。

ミット持ちする米津玄師

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