ファーウェイ、米国のサイバー攻撃と捜査を非難 中国報道官「不合理で差別的」
中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)は9月3日、声明文を発表し、米国当局が同社に対して不当にサイバー攻撃を仕掛け、従業員に圧力をかけていると非難した。
狙いは「おとり捜査」や「ファーウェイ従業員なりすまし」か
ファーウェイの新たな声明によると「米国は司法権力、行政権力、その他の多くの不当なものを含むあらゆる手段を手当り次第に使って、ファーウェイとそのパートナー企業の正常な事業運営を混乱させてきた」という。
ファーウェイは過去にも同様の告発を行ってきたが、今回は米国がファーウェイのイントラネットや内部情報システムをハッキングしようとした等、新たな告発の箇条書きが含まれている。
また、ファーウェイは「米国の法執行機関が従業員宅を訪問するなどして嫌がらせをしており、米国が同社に対する根拠のない告発の法的口実づくりのために、おとり捜査を仕掛けようとしているか、若しくはファーウェイの従業員になりすまそうとしている」と主張。『The Verge』は「声明には、サイバー攻撃の試みが成功したかどうか、といった詳細は記載されていない」と指摘している(参考:https://www.theverge.com/2019/9/4/20849092/huawei-cyberattacks-us-government-netowrks-employee-harassment)。
米司法省「捜査は法律に準拠」 中国報道官「不合理で差別的」
ロイター通信も、この声明について「米国連邦捜査局(FBI)の捜査官が、複数のファーウェイ従業員宅を訪れ、情報収集するように迫った」といった内容で詳しく報じている(参考:https://www.reuters.com/article/us-huawei-tech-usa/huawei-says-u-s-enticing-coercing-staff-to-provide-company-info-idUSKCN1VO2JI)。
記事によると、8月28日にある従業員が会社に報告し、社内調査を実施したところ、米国籍者を含む管理職級の8人が同様に米当局捜査官の訪問を受け、情報提供者になるよう迫られていたことがわかった。
アメリカ合衆国司法省のスポークスマンは、特定の調査についてはコメントしていないものの「すべての事柄において、捜査のテクノロジーは法律に準拠しており、すべての調査対象者は、憲法と独立した司法により保障された手続きの権利を享受する」と述べた。
一方、中国の外交部報道局の耿爽(こう・そう)副局長はファーウェイの声明について質問されると「中国は証拠を提供せずに特定の企業を標的とする米国の動きに反対する。この種の行動は不名誉なだけでなく、不道徳でもある。米国は中国企業に対する不合理な圧力を止め、かわりに中国企業の業務に対する差別のない環境をつくるべきだ」と発言している。