『ボーダーランズ3』制作陣インタビュー 『MGS』や松本大洋作品からのインスピレーションも?

 2019年9月13日に2Kより発売される『ボーダーランズ3』は、没入性の高いFPSと、レアな装備品やアイテムを求めてひたすら戦闘を楽しむ”ハクスラ(ハック&スラッシュ)”をミックスした唯一無二のシューティングRPG。ナンバリングタイトルとしては前作『ボーダーランズ2』から約7年ぶりということもあり、新たなストーリーやプレイアブルキャラクターの存在、そしてボリュームアップした装備品のカスタマイズなど、ゲームシステムの進化に世界中のユーザーから大きな期待を寄せられている。

 そこで今回は、『ボーダーランズ3』の開発元であるGearboxのシニアプロデューサー、アンソニー・ニコルソン氏(以下、アンソニー)」と、アートディレクターのスコット・ケスター氏(以下、スコット)の2名にインタビューを行い、本作の開発を踏まえて掲げたコンセプトやシリーズ作品との差別化、キャラクターデザインの裏話について話を聞いた。

「最強&最高はやっぱり僕ら! と示したかった」

アンソニー・ニコルソン氏(左)とスコット・ケスター氏(右)

ーー始めに『ボーダーランズ3』を開発するにあたって最も意識したコンセプトを教えてください。

スコット:『ボーダーランズ』のゲームジャンルは独自のもので、シューティングRPGという点に加え、これまでのシリーズ作品で構築してきたものがあります。これまでなかったジャンルを作り出したという自負心もありますし、当然ゲーム業界にも後続がいる。そのなかで「最強&最高はやっぱり僕らだよ!」という意思を込めて作り上げました。

アンソニー:『ボーダーランズ2』の中で「みなさんの支持を得られたのは何か?」ということを私たちなりに分析し、その部分をさらに強化する、あるいは基本軸は変えずにバラエティをさらに拡張していきました。

差別化のポイントは”ゲームエンジン”の変化

ーー本作の開発期間は相当長かったと思うのですが、何か差別化を図る点で苦労した点はありましたか?

アンソニー:これまでの”シリーズ作品”が基盤にあるので、『ボーダーランズ2』で「ここはうまくできたな」とか、あるいは「皆さんに支持いただいている」といった部分をピックアップし、それに対して新たなIPを開発して絡めました。

スコット:大きかったのは制作に使用する”ゲームエンジン”の変化ですね。Unreal Engine 3からUnreal Engine 4に刷新される過程において、『ボーダーランズ3』にふさわしいベース開発をするのは、正直大変でした。

ーーゲームエンジンの変更はクリエイターにとって大きなインパクトだと思うのですが、その中で「これが実現するようになった!」と興奮したポイントは?

スコット:とにかく見た目が全然違います! 実際に見ていただけると分かってもらえると思うのですが。

ーー格段に違いますね。

スコット:そうでしょう(笑)。細かく言うと、リアリスティックなキャラクタービジュアルーー例えば影の表現や皮膚の質感にレンダリングといった技術の幅が広がりました。

ーーそれまでゲームに描けてなかったものが実装できるようになったと。

スコット:おっしゃる通りです。私は初代『ボーダーランズ』から関わっているのですが、「やってみたい!」と思っても技術的に無理な問題が多々あって。それがUnreal Engine 4によって、かなり進化しました。

アンソニー:キャラクタービジュアルをはじめ、様々なエフェクトやモーション、破壊シーンの迫力などがリアルに、本当に戦場にいるような雰囲気が出せるようになったと思います。

「多種多様な熱意が結集して作品が生まれた」

ーー映像を見るとそれがよく伝わってきますね。アンソニーさんにお伺いしたいのですが、『ボーダーランズ3』の開発で最もやりがいを感じたところは?

アンソニー:我々が長い間実現することを夢見てきたものが技術的にも可能になった。その裏側ではたくさんの人々が関わっています。開発スタッフの人数もそうですが、部署の垣根を超えて協力しあい、我々が手がけた開発のプロセスも非常に多種多様でした。そうしたものを集結し、最後に作品ができたということは喜ばしいことです。

 そしてもう一つ。レベルクリエイションを取ってみても、それぞれ熱意を持ったチームの人たちがアイデアを出し合い、それを精査することでますますクオリティがアップしました。

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