ロバート・ダウニー・Jr. 、ロボット工学駆使した環境保護団体設立 本物のアイアンマンに?

 そんなどん底の状態から比べると、自然環境や人類の幸せを考えられるまでになったというのは、大きな変化だといえよう。RDJはもともと子ども時代からマーベルの『アイアンマン』に憧れていた一人のファンでもある。そんな彼が社会的な成功を収めて正義の活動を行うという流れは、自然といえば自然である。

 『アイアンマン』で彼が演じたトニー・スタークが素晴らしかったのは、傲慢で自分の利益しか考えられなかった人物が正義に目覚めていくという役柄が、再起をはかるRDJに重なるところがあったからでもある。だとすれば、そこで得た利益を人々のために還元しようという試みは道理にかなっている。

 “Footprint Coalition”が行う活動の具体的な内容は、まだ明らかにされていないので、計画の妥当性や、本当に可能かどうかなど、疑問点はたくさんある。セレブを狙った詐欺のようなものに騙されている可能性も捨てきれない。しかし、利益ばかりを追い求め、あらゆる産業を拡大しようとする企業や、便利な暮らしを送ろうとする一般の市民が、深刻な環境汚染を続けていることもたしかで、地球環境が修復不可能なところまで破壊される未来が訪れてしまうことは、多くの専門家が指摘していることだ。誰かが決定的な何かを始めなければ、この未来は確定的なものになってしまうのである。

 いつか、世界全体が環境保護に力を入れざるを得ない状況が訪れることになるのだとすれば、RDJが大規模で抜本的な取り組みへ、先陣をきるということになるだろう。ヒーロー映画が、理念を語るだけのものではなく、本当に具体的な正義のきっかけになるのだとしたら、こんなに素晴らしいことはない。

※記事初出時、誤解を招く表記がございました。訂正の上、お詫びいたします。

■小野寺系(k.onodera)
映画評論家。映画仙人を目指し、作品に合わせ様々な角度から深く映画を語る。やくざ映画上映館にひとり置き去りにされた幼少時代を持つ。Twitter映画批評サイト

■リリース情報
『アベンジャーズ/エンドゲーム』
9月4日(水)発売
8月7日(水)先行デジタル配信開始
『アベンジャーズ/エンドゲーム MovieNEX』:4,200円+税
『アベンジャーズ/エンドゲーム 4K UHD MovieNEX』:8,000円+税
『アベンジャーズ/エンドゲーム 4K UHD MovieNEXプレミアムBOX(数量限定)』:10,000円+税
『アベンジャーズ/エンドゲーム&インフィニティ・ウォー MovieNEXセット(数量限定)』:8,400円+税
『アベンジャーズ:4ムービー・アッセンブル(数量限定)』:13,200円+税
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