トップゲーム実況者の時給は550万円!? 拡大するゲーム実況市場はStadiaによって変革するか
動画とゲームの境界を越境するStadia
以上のようなゲーム実況動画市場において、間もなく大きな変化が生じる可能性がある。その変化を引き起こすのは、2019年中にリリースされる予定のGoogleのクラウドゲームサービス「Stadia」だ。ゲームの処理をクラウドサーバで実行するためにゲームデバイスに依存しないゲーム配信を特徴とする同サービスは、ゲーム実況に関しても画期的とも言える特徴を備えている。
同サービスには「Crowd Play」と呼ばれるゲーム動画用の機能が実装される。この機能はゲーム実況中に「一緒に遊ぶ」ボタンを押すことで、ゲーム動画の視聴者がゲームプレイに途中参加できるというもの。言ってみれば、ゲームと動画のあいだにある垣根を取り払う機能なのだ。
以上の機能が利用できるのは、当然ながらStadiaを運営するGoogleの動画サイトであるYouTubeだ。こうした機能はTwitchにはないので、Twitchを活動拠点としているゲーム実況者はYouTubeに活躍の場を移すかも知れない。さらには、実況動画の流行に変化が生じるかも知れない。Crowd Playと相性が良いのは高難度のゲームステージを攻略するようなスーパープレイ動画ではなく、気軽に参加できるチーム対戦のような動画ではないだろうか。
SonyとMicrosoftがクラウドゲームサービスで提携を結んだことも、ゲーム実況動画市場に少なからず影響を与えると考えられる。近い将来、同市場は大きな変革期を迎えるかも知れないだろう。
トップ画像出典:KOTAKU「Top Streamers Said To Earn $50,000 An Hour Playing New Games」より画像を引用
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi