2019年は「折り畳み型スマホ元年」となるか? Apple参戦の気配も前途は多難

2019年は「折り畳み型スマホ元年」となるか?

市場関係者は辛口

 以上のような立ち上がりつつある折りたたみスマホ市場を、市場関係者はどのように見ているのか。調査会社Canalysは、先月25日、同市場に関するレポートを発表した。そのレポートによれば、2019年に出荷される折りたたみスマホの出荷数は200万台と予想される。しかし、各メーカーはこの製品カテゴリーのスマホが高品質で耐久性にも優れていることを証明しなければならない。もし折りたたみディスプレイの劣化や破損の事例が重なれば、市場を形成するチャンスを逃すだろう、と評している。

 総合メディア『The Week』には、先月28日、折りたたみスマホの問題点を指摘する記事が掲載された。同製品カテゴリーが抱えるいちばんの問題は、価格が高すぎることだ。例えばGalaxy Foldは約2,000ドル(約22万円)、HUAWEI Mate Xは約2,600ドル(約29万円)であり、高いと言われたiPhone XS Maxの512GBモデルの1,449ドルよりもさらに高い。また、折りたたみスマホに最適化されたアプリが革新的であることも必要だと述べている。テック系メディア『Extreme Tech』が公開した折りたたみスマホ考察記事では、前述のふたつの問題点に加え、やはり通常のスマホより壊れやすいことが難点だと評している。

 折りたたみスマホが今年のトレンドとなる見込みは、極めて高い。しかし、製品カテゴリーとして定着するかどうかは、予断を許さないだろう。

トップ画像出典:Galaxy Fold公式サイトおよびHUAWEI Mate X公式サイトより画像を抜粋

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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