『Apex Legends』好調のEA、新感覚空中バトルゲーム『ANTHEM』発売 課題はゲームバランスか?

『第9地区』『チャッピー』の監督が動画を制作

 ANTHEMの正式リリースに先立つ14日、同ゲームの舞台の歴史を伝える動画が公開された(下の動画参照)。この動画は実写で制作されているのだが、監督は映画『第9地区』『チャッピー』を作ったニール・ブロムカンプだ。

『Conviction』 – ニール・ブロムカンプによる「Anthem」の実写ストーリー

 同動画を報じたテック系メディア『The Verge』によると、2017年度の世界最大のゲーム見本市E3において同ゲームの概要が発表されると、同監督はすぐに「クール」とツイートした。このツイートが今回発表された動画を制作するきっかけになった、とのこと。

 以上の動画について、The Vergeはパワードスーツやロボットを登場させてきた同監督の映画キャリアのことを考えれば、ANTHEMとのコラボは理想的である、と評価している。また、ゲームメディア『Game Spot』も同監督がANTHEMの世界観を十分に伝えている、とコメントした。

NPCとの会話はいらない?

 有名監督とコラボしたことからも分かるようにANTHEMはEA肝煎りのタイトルなのだが、ゲームメディアの反応はやや微妙なようである。

 ゲームメディア『Game Spot』は、4タイプのジャベリンすべてをプレイして、「バトルこそがANTHEMのプレイを高揚させ続けるもの」と称賛している。その一方で、ミッションからプレイヤーが拠点となる要塞都市「フォートタルシス」に戻った時に交わされるNPCとの会話が、ゲームプレイを中断するもののように思われる、と苦言を呈している。

 テック系メディア『Ars Technica』は、同ゲームのグラフィックとアイアンマンになったかのようなバトルシーンを絶賛している。しかし、NPCとの会話を含めた同ゲームのストーリーテリングと同ゲームのバトルシーンがうまくかみ合っていない、と評している。

 国内ゲームメディア『Game Watch』も、同ゲームの肝とも言えるジャベリンについて熱く語っている。ジャベリンを強化するためにはストーリーに沿ってミッションをクリアすることで強化アイテムを獲得する方法のほかに、オープンワールドを自由に探索してアイテムを収集する「フリープレイ」が用意されている。同メディアは、このフリープレイが「トレジャーハンティング(宝探し)」のようで興奮する、と述べている。だがやはり、NPCとの会話パートが「まどろっこしい」と感じた、とコメントしている。

 以上のようにANTHEMは新感覚のバトル体験は非常に好評ながら、RPG的な要素については疑問視されている。今後はDLCもリリースされるだろうが、もしかしたらバトルに特化したものが人気コンテンツになるかも知れない。

トップ画像出典:「Anthem」ローンチトレーラーから画像を抜粋

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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