“あの人のゲームヒストリー”第十回:YURiKA

YURiKAが語る〈Key〉作品への愛ーー『CLANNAD』好きだった少女が「願いが叶う場所」にたどり着くまで

「古河渚は私の憧れの人」

ーーそして〈Key〉の3作目が『CLANNAD』ですね。

YURiKA:いや〜、『CLANNAD』一番好きです。キャラクターでは渚(ヒロインのひとり古河渚)が一番好きですね。私は渚みたいな人になりたいってずっと思ってるんです。かよわい、守ってあげたいという可憐さがあるんですけど、演劇部をやりたいとかお母さんとしての強さがあって、渚は本当に強い人だなと思います。それが「時を刻む唄」の「見せてやる 本当は強かったときのこと」という歌詞につながるんですよね。渚は私の憧れで、本当に大きい存在です。

ーーそこまで大事な存在なんですね。

YURiKA:でも『智代アフター〜It's a Wonderful Life〜』(※『CLANNAD』のヒロインのひとり、坂上智代を主人公とする外伝的作品)も好きなんで、なんとも言えないんですけど(笑)。

ーー『CLANNAD』で他のキャラクターを好きだった人でも、『智代アフター』をプレイすると智代が好きになりますよね(笑)。

YURiKA:そうなんですよね! 「京アニ(京都アニメーション)すごい!」と思ったのが、アニメのテニスコートで朋也(主人公の岡崎朋也)が渚をかばって、智代や藤林姉妹(藤林杏・椋)が一気に朋也のことをあきらめるというシーンで、あのシーンが切なくて……。ホントに「京アニありがとう……」という感じです。しかもアニメだとゲームと違って表情の動きがあるじゃないですか。曲が流れる瞬間とかも、『CLANNAD』は深いなと思います。

ーーYURiKAさんにとって『CLANNAD』とは、どんなゲームですか?

YURiKA:『CLANNAD』は……「人生」ですね。

ーーTwitterでも「クラナドは人生」と書かれたTシャツ着てますよね(笑)。

YURiKA:あれ、私物なんです(笑)。でもなんていうか、『CLANNAD』はただ「感動」では終わらないところがあるんですよ。確かに〈Key〉って「泣きゲー」と言われていて、「感動」「泣ける」というところもあるんですけど、『CLANNAD』はまず長いじゃないですか。アニメでいえば1期が2クール、『AFTER STORY』が2クールあって、最初の頃ってキャラクターの日常が描かれている感じですよね。でも『AFTER STORY』を観終わった後で振り返ると、あの日常がどれだけ大切なものだったかがわかるんです。その深さみたいなのをすごい感じましたね。

ーー〈Key〉は全体的にスロースタートですよね。最初はずっと日常が続く感じで。

YURiKA:『Summer Pockets』もそうなんですけど、1回も同じルートがなくて、後になるほど最初の頃の意味がわかってくるようになっているんです。やり込めばやり込むほど深く味わえるというのが魅力だと思います。

ーー『智代アフター』の後は『リトルバスターズ!』ですが、この作品の印象はいかがでしたか?

YURiKA:『リトバス』は明るい印象で、〈Key〉のアーティストさんが好きな私としては主題歌を歌われたRitaさんが好きでしたね。今までの作品は綺麗に歌い上げる感動に寄り添うような歌が多かったのが、Ritaさんは明るくスコーンと抜けるような歌い方で新鮮でした。内容も『リトバス』は友情をテーマにしていて、日常やギャグパートの大切さみたいなものも描かれていると思います。私は沙耶(朱鷺戸沙耶)の「Saya's Song」が好きで、従来の〈Key〉らしさも感じましたね。

 

ーーその後、麻枝さんがシナリオを書かれたアニメ『Angel Beats!』からはリアルタイムでご覧になられていたわけですね。

YURiKA:『Angel Beats!』はもともとの〈Key〉のファンだけでなく、新しいファン層にも受け入れられた作品だと思うんですけど、ガルデモ(Girls Dead Monster)が大きかったですね。LiSAさんの存在も大きかったですし、声優さんの力も感じました。私が『CLANNAD』を好きになった頃は全然周りに話題に乗ってくれる友達がいなかったんですけど、『Angel Beats!』は周りでもすごい好きっていう人が多くて、「みんなやっと気付いた?」って思ってました(笑)。

YURiKA:これはアーティストとしてデビューしてからの話なんですけど、私の曲のレコーディングやライブに参加してくださっているミュージシャンの方々が、『Rewrite』や『Charlotte』の曲を演奏されていたんですよ! 「麻枝さんの曲演奏してるよ」っておっしゃるので、なんで私より先に〈Key〉に関わってるのって思って(笑)。そういうこともあって、ずっとファンだった〈Key〉作品に知らない間に近づいていたんだなと思ったのが『Rewrite』や『Charlotte』でしたね。〈Key〉の作品で歌うのが夢だったので、その夢に近づいた感じがしました。

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