関根りさ、しゅんP、エド・ホープ……専門知識を個性的に届ける医療系YouTuber3選
しゅんしゅんクリニック
よしもと初の医者芸人として、YouTube活動を行なっているのがしゅんしゅんクリニックPだ。初期の動画では花粉症やノロウイルスなど身近な病気の対処法を開設する動画を多く投稿していた。
しかし今年に入り、芸人らしいユニークな動画も多く投稿するようになった。ダンスが得意という彼は、医者のあるあるネタを歌った「ヘイヘイドクター」でキャッチーなダンスを披露。再生回数は200万回を超え、関根りさを始め、お笑いコンビのゆにばーす、横澤夏子、モデルの田中里奈、MEJIBRAY(現在活動休止中)のMiAなど多彩な面々とコラボを行なった。
また、スポーツ臨床医学会でこの楽曲の替え歌「ヘイヘイドクター スポーツ貧血ver」が流されるなど、実際の現場とも関わり医学の普及に努めている。今後、さらにチャンネルが大きくなっていくことで、医療と患者のギャップを埋めるような存在になっていくのではないだろうか。
エド・ホープ
英国人医師でありながらYouTuberとして活動しているエド・ホープは自分の病院での経験を動画にしている。自らを“病理オタク”という彼は、視聴者から進められたというテレビアニメ『はたらく細胞』(TOKYO MX)の解説動画が大きな話題を呼んだ。
アニメひとつひとつの表現に目を爛々とさせるホープの表情からは本当に病理学が好きなことが伝わって来る。ウイルスに感染した細胞をゾンビとして表現しているシーンでは、画面を食い入るように見つめ「まさにそうなんです」と感嘆の声を漏らした。
ホープが「普通を超えて素晴らしい」と絶賛するように本作は明確に体内の仕組みを表現している。それを理解することは本作をより楽しむことにつながってくる。ホープはひとつひとつのシーンを細かく拾い上げてくれているため、一度見た回でも新たな発見をさせてくれるだろう。
また、純粋にアニメを楽しむホープの姿も微笑ましい。第1話鑑賞後、ホープは「素晴らしいですね。本当に素晴らしいですね」と頭を抱えるほど本作の完成度に舌を巻いた。こうした海外の反応にコメント欄では「これは貴重なリアクション動画!」「海外の人が日本のアニメ見てるの好き」といった声が多く寄せられていた。
ホープの『はたらく細胞』解説動画は現在5話まで解説動画が投稿されており、彼の人気コンテンツとなっている。日本語字幕の動画も作られ、人気シリーズとして今後も続編が投稿されていくだろう。
視聴者に寄り添ったものや、エンタメ要素の強いもの、丁寧で詳しい解説で新たな気づきを与えるものと、どのYouTuberもそれぞれの専門知識をそれぞれの方法で動画にしている。特に専門性の高い医療分野は噛み砕いて視聴者に届けなければいけない。だからこそ医療系YouTuberはクリエイターの個性が表れやすいジャンルなのだろう。
(文=馬場翔大)