ポケモン、モンスターハンター、DDR……日本のゲーム×ハリウッド映画への期待

 今のところ判明している実写版『モンスターハンター』の粗筋は、「国連軍の部隊がモンハンの世界に飛ばされ、モンスターと戦うことになる」というもの。公開されている撮影風景は普通の軍隊であり、肝心のモンスターのビジュアルも出ておらず、現時点ではモンハン感はあまり感じられない。しかし、私はこの映画に大きな期待を寄せている。何故なら揃っている面子が信頼できるからだ。まず監督はポール・W・S・アンダーソン、そして主演はミラ・ジョヴォヴィッチ。言わずと知れた『バイオハザード』シリーズのコンビである。『1』はゲーム映画の一つの金字塔であり、同時に現在まで続くゾンビ映画ブームのキッカケとなった1本だ。ちなみにポールもミラもゲーム好きであり、同作に向けて並々ならぬ気合が入っているらしい。モンハン感の無さを指摘されるや、速攻でゲームに登場する武器「スリンガー」の写真をアップするなど、ファンの気持ちも考えているようだ。

 そして何より『マッハ!』シリーズで知られるムエタイ超人、トニー・ジャーがキャスティングされている点が重要だ。今回の彼は、もう一人の主人公と位置付けられており、モンハンの世界のハンターとして暴れ回るらしい。彼のTwitterは「#MonsterHunte」というハッシュタグと共に、アクロバットな自撮りがアップされており、“モンハン世界の住人”として順調に仕上がっているようだ。今から映画のシーンが目に浮かぶようである。モンスターを前に成す術なく壊滅していく国連軍。そこに「イイヤァァーー!」と雄叫びを上げながら飛び膝で突っ込んでくるトニー・ジャー。そのまま目にも止まらぬ動きでモンスターを解体するトニー・ジャー。そしてミラジョヴォたちに頼まれ、肉を上手に焼きながら国連軍に修行をつけるトニー・ジャー。これだけでも映画代を払いたい気持ちになってくる。他にも『ヘルボーイ』シリーズに主演した怪優ロン・パールマン、“キング・オブ・ザ・サウス”を自称する人気ラッパーにして、『アントマン』シリーズの愛すべき3バカのひとり、T.I.の参戦も決まっている。愛妻、ムエタイ超人、怪優、キング・オブ・ザ・サウスと、ポール監督史上最高にアクの強い人たちが大集合しているので、本作が化ける可能性は大いにあるだろう。

 ゲームの映画化ーーそれはまだ「不安」が混ざる挑戦である。しかし、ゲーム映画を作る人間の技術も意識も変わってきている。アメコミ映画の扱いが変わったように、ゲーム映画も変わる可能性が高い。そして、その変化は、恐らくこれから数年の間に起きるだろう。『名探偵ピカチュウ』や『モンスターハンター』がその起爆剤となることを願うばかりである。最後になったが、本当に個人的な希望を言うと『ザ・レイド』組やドニー・イェン、そしてロック様ことドウェイン・ジョンソンを集めて、『ファイナルファイト』の実写版をやってほしいものである。絶対に面白いと思う。

■加藤よしき
ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。
『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。

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