『ONGEKI Vocal Collection 01』

セガ新作音ゲー『オンゲキ』は“応援したくなる主人公”も大事なコンセプトーー赤尾ひかる&春野 杏インタビュー

 「3人一緒によろよろ進んでいくのが『オンゲキ』」(赤尾)

ーー今回は個々のソロ曲も収録されますが、赤尾さんはインタビューに2度登場いただくので、自分じゃなくもう一人のソロ曲について話してもらいましょうか。

赤尾:杏ちゃんの歌う三角葵ちゃんの「Zest of Blue」はカッコいい曲で、すごくノリやすいんです。振り付けもそれに合わせたもので。いつも一緒に練習をしている時に、すぐゾーンに入ってます(笑)。それが面白くて私も真似しちゃうんですよね。

春野の真似をする赤尾(右)と悪ノリする春野(左)

ーーサビの振り付けはすごく印象的ですよね。

赤尾:あと、杏ちゃんは独特のリズム感があって、私たちには踊れない振り付けなので……たぶん昔バレエをやっていたからだと思うんですけど。

春野:違うよ(笑)。

ーー楽曲は上松範康氏をはじめとしたElements Gardenチームが手がけていますね。

小早川:はい。「Zest of Blue」は誰が聞いても上松さんと思える、個性のある素晴らしい曲ですよね。「上松さんっぽい曲が欲しい」とスタッフみんなで思っていたところに、まさしくそんな曲がドンピシャで来て、スタッフ一同ガッツポーズしました。

春野:私も上松さんが作ってくださると聞いて「マジかー!」と思いました。仮歌の方がすごくかっこよく歌っているのを聴いて「これは無理かもしれない」と不安になったんです。でも、葵ちゃんの視点に落とし込めば葵ちゃんの曲になるかもと思って、仮歌に引っ張られすぎないでキャラクター性を持たせようと決めてからは、うまく等身大な感じに歌えました。

ーーなるほど、そんな葛藤があったんですね。続いて、春野さんにも赤尾さんのソロ曲について伺いましょうか。

春野:えーっと、好きすぎてずっと真似してます(笑)。ライブの時も裏で「フレ! フレ!」と言ってるくらい。歌詞も大好きで、高校二年生の、無邪気な感じが出てますし、ネガティブになる時期はこの曲を聴いてます。「頑張らなきゃ」じゃなくて「頑張っていいよ」と優しく背中を押してくれているような気がしています。「みんなHappy!!」は女の子として応援されている感じなんですけど、こっちは人として応援されてる感じなんですよ。

小早川:あかりちゃんはみんなを応援するキャラクターなので、その辺りの要素もしっかり宮崎誠さんに入れていただいたからこそ、メッセージ性が出た曲になっていると思います。

春野:あと、いつも真似してるんですけど、声が色っぽいです。

赤尾:色気を出すつもりじゃなかったんだけど、初めて音楽ゲームのお仕事をいただいてできる限りうまく歌おうとした結果、そうなったんですよね……。自分としては「Perfect Shining!!」って、「あかりちゃんってどんな子なのかな?」と考えた時に、名前の通り明るい子だから、誰かを応援できる歌にしたいと思って、ダンスの練習をする時に「ここ、今の私に必要な歌詞だ」「あ、私頑張んなきゃ」と感じることもあったり。ライブの時はみんなを応援できるように、「よし明日も頑張ろう」と思っていただけるようにしたいですね。

春野:ソロ一曲目だからこその王道感もあるし。でも、一番最初に披露することも多くて、そのぶん重圧で泣いちゃったこともあったよね。

ーー8月の『「オンゲキ」LIVE vol.0~STARTLINER~』では、NAOKIさんのDJが終わった後にソロパートがあって、その出番前に泣いたとステージ上でお話していました。

赤尾:前日に「ここが応援ポイントだよ」みたいな、コールの入れどころとかをTwitterに書いて、自分のハードルを上げすぎたというか。盛り上がりたくていっぱい書いたけど、盛り上がらなかったらどうしようとか、ふと気持ちがネガティブな方向に行ってしまったんです。割と「大丈夫!」って思えるタイプなんですけどね。でも、3人揃ったらすごく安心したので、やはり3人一緒によろよろ進んでいくのが『オンゲキ』だなと感じました。

ーー3人でよかった、と改めて思えた瞬間だったんですね。今回は『ONGEKI Vocal Collection 01』がリリースとなりましたが、続いて『02』の発売も決定しました。自分たちじゃないキャラクターもCDリリースをするようになるわけですが、先に歌っているお2人からすれば、どういう感覚なんでしょう。

春野:サンプルはいただけるのかなーと思いました(笑)。

小早川:送りますから(笑)。春野さん、結構ゲーマーですよね。

春野:ゲームって、自分を忘れられる良さがあるじゃないですか。頭の中が一回無になって、ゲームだけに集中できる時間がすごく好きなんです。そのなかで音楽ゲームに参加できて、みんなが自分を忘れて楽しんだり、悔しがったりする時に、自分の声が流れるというのは最高だなと思います。

小早川:新キャラの高瀬梨緒(CV.久保ユリカ)、結城莉玖(CV.朝日奈丸佳)、藍原椿(CV.橋本ちなみ)は、春野さんが好きそうだなと思いました。

春野:椿ちゃんの曲は大好きです。やってて楽しいですよね。

ーー今回の3人の曲はポップめなものが多く雰囲気も明るめですが、次はもう少し暗めな感じになるんでしょうか。

小早川:おっしゃる通り、ポップで明るい3人に対して、次の3人はかなりコンセプトが強くて。最初の3人が作り上げた王道みたいなものに対して、また色の違うものが提供できるなと思っています。

春野:ライブ自体も、私たちが頑張って回数を重ねていけば、きっともっといろんな方が出演してくださるステージになりそうですね!

小早川:その通りです。でも、新しい人たちがどんどん参加してきても、オンゲキシューターズの3人には、センターにずっと居続けてほしいです。

春野:私たち大丈夫かな……。

小早川:これって難しいところで、後から出てくる尖ったキャラクターの方が、ユーザーが応援しやすいというか、一度興味を持ちやすいのは確かで。ただ、象徴になるセンター的な人たちっていうのは、そういう人気に左右されずにいてほしいんです。

ーーいわゆる新しいものに食いつきやすいですけど、最終的に戻ってくるのはやっぱり王道というか。

小早川:そうなんですよね、王道ならではの安心感を、3人には担ってほしいと思っています。

赤尾:ありがとうございます。私は、この3人だからこそ前に進みやすいと思っていて。ひとりだと「どうしようかな」って考えちゃったと思うんですけど、2人には後押ししてもらって、勇気をもらえているので。ライブ前の応援ボードも「これいいよね?」って聞いたらすぐに「いいと思う」と言ってくれたからこそ書けましたから。

小早川:3人の仲の良さがあの紙に表れてましたもんね。

春野:たまたまポンコツが3人集まっちゃったから、支え合ってうまくやってるんです。

小早川:どちらかといえばキャラクターも“ポンコツ”感のある3人なので、そういう意味ではこちらとしてはありがたいというか……(笑)。

ーー舞台の上でお話するエピソードもやっぱり面白いものばかりですし。

赤尾:イベントで話した「ディズニーの話」(LINEで赤尾がディズニーランドに行くことを提案→春野は「シーに行きたい」と反論→久保田は「寒いのイヤ。ハロウィンがいい」と被せ、議論が平行線に)も、本当にその日あっただけのことを言っただけなのに……(笑)。

後編『赤尾ひかる&久保田梨沙インタビュー』に続く】

(取材・文=中村拓海/撮影=石川真魚)

■リリース情報
『ONGEKI Vocal Collection 01』
発売中
価格:¥2,160(税込)

【収録内容】

1「STARTLINER」
歌:星咲あかり(CV:赤尾ひかる)、藤沢柚子(CV:久保田梨沙)、三角葵(CV:春野杏)
作詞・作編曲:kz(livetune)
2「Perfect Shining!!」
歌:星咲あかり(CV:赤尾ひかる)
作詞・作編曲:宮崎誠
3「みんな Happy!!」
歌:藤沢柚子(CV:久保田梨沙)
作詞・作編曲:ヒゲドライバー
4「Zest of Blue」
歌:三角葵(CV:春野杏)
作詞:織田あすか(Elements Garden)
作曲:上松範康(Elements Garden)
編曲:藤間仁(Elements Garden)

ほか、instrumental・「STARTLINER」各ソロver、各曲のゲームサイズver.含む、計15曲収録

【封入特典】
1「オンゲキカード」1枚(全3種をランダム封入)
2「スターチケット」シリアルコード1点

■関連リンク
『オンゲキ』公式HP

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