Apple、音楽分析サービスのスタートアップ買収 アーティスト発掘でSpotifyと競争激化か?
メインストリームとなった音楽ストリーミング
日本国内外の音楽業界に関する統計情報を調べると、音楽ストリーミングサービスがこの業界の主要収入源になったことがうかがえる。音楽業界の国際的な業界団体である国際レコード・ビデオ製作者連盟が発表したレポートによると、2016年には音楽ストリーミングサービスが世界の音楽業界における第1位の収入源になり、2017年には同業界の総収入の38%を占めていた。ちなみに、ダウンロード配信を含むデジタル販売のシェアは30%であった(下のグラフ参照)。
画像出典:IFPI「Global Music Report 2018」
また、日本レコード協会の調べによると、2018年第1四半期、日本国内の音楽配信売上における音楽ストリーミングサービスのシェアが49%となり、はじめてシェア44%のダウンロードを抜いた。そして、2018年第2四半期にはストリーミングが55%、ダウンロードが39%となっている。
AppleによるAsaiiの買収は、メインストリームとなった音楽ストリーミングサービスの覇権をめぐる大手テック系企業の争いのなかで投じられた一手、と解釈できるのではないだろうか。そして、近い将来、AppleやSpotifyがメジャー音楽レーベルに匹敵する影響力を持つことも十分にあり得そうなことなのだ。
トップ画像出典:Asaiiサービス解説ウェブページ
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi