【連載】ゴールデンボンバー歌広場淳の「格ゲーマーは死ななきゃ安い」:第二回
歌広場淳 連載第二回:俺はイケメンしか使わない! 格闘ゲームにおける“キャラ選び”の美学
ビギナーはやはり、強キャラを使おう
一方で、これから格闘ゲームをはじめてみたい、あるいは、現行タイトルはプレイしていなかったがカムバックしたい、と考えている人は、間違いなく、強キャラを使った方がいいと思います。現在の『ストV』で言えば、豪鬼、キャミー、メナト、ガイルあたり。それは、同じ労力でも強キャラの方が、得られる成長の実感がはるかに大きいからです。キャラクター選びは「ゼロ回戦」。使うキャラクターを決められないうちに、ゲームから離れてしまうのは本当にもったいないです。迷ったらまずは強キャラを使い、勝つ喜びを覚えて、ゲームが楽しいと思えるようになったら、そこから好みの世界に入っていけばいいのではと。好きなキャラクターを使えば、壁にぶつかり、勝てない時期も楽しめるし、愛着が持てるキャラクターをやり込んでみてほしいです。完全に余談ですが、女子高生がアントニオ猪木さんを見て「カワイイ」と言っているのを見たことがあり、カッコいいもカワイイも人それぞれ(笑)。頭で考えすぎず、直感で選ぶのもいいと思います。
自分がどういう人間かをよく知っている人は、キャラ選びもうまい気がします。それは、ビジュアルやストーリーも含めて自分がどういうキャラクターを好むか、ということを客観的に理解できていることもそうですし、自分が守りの人間なのか、攻めて暴れる人間なのか、というプレイスタイルもそう。魅せるプレイが信条で、コンボマスターであるsako選手のメナトは芸術ですし、最適解を追い求めるまちゃぼーさんが、飛び道具からコマンド投げまで、技構成のバランスがいいネカリを使っていることにも深い納得感があります。だからこそ、一見して本人と結びつかないキャラクターをうまく使いこなしているプレイヤーを見ると、なんだか気になってしまいます。間違いなく、そこにはストーリーがあるし、そういった画面外の要素を知ることで、eスポーツはさらに面白くなるんです。
(取材・構成=橋川良寛)