マレーシアのゲーム会社は何を作っている? 『東京ゲームショウ2018』海外ブース訪問

 単純に日本のゲームが好きで好きで仕方がない……というパターンの人もいる。ポーランドのインディーデベロッパーである7LEVELSはニンテンドースイッチ向け2Dアクションゲーム『Castle of Heart』を展示。これは同社にとってひとつめのオリジナルタイトルで、それ以外にも他社のゲームの仕事も受けつつ、自社オリジナルの作品も手がけている。しかしポーランドでは任天堂のハードはそれほどメジャーではなく、プレイステーションの方が圧倒的に強いという。

『Castle of Heart』のプレイ画面

 それでも『Castle of Heart』を開発したPawel Bielaさんは任天堂ハードでの発売にこだわった。その理由は「単純に自分が任天堂のファンだから」というもの。「『Castle of Heart』をプレイステーションで発売する予定はないんですか?」と聞いてみたものの、「まったくありません!」と明快な答えが返ってきた。Bielaさん曰く、「マリオ以来、ずっと任天堂の世界を追いかけ続けてきましたし、本当に素晴らしいものだと思っています。今年は去年に比べてスイッチのゲームが増えてて、とてもいいですね!」とのこと。『Castle of Heart』は2Dサイドスクロールのゲームで、「ポーランドに昔から伝わっているスラブ系の伝承と、『キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラ)』とを組み合わせたような内容」とのこと。今年の年末には日本でも配信予定だ。

 チェコのアクションRPG『LOST HERO』はもろに『ダークソウル』の影響を受けたインディーゲーム。現在α版が配信中で、今回のゲームショウでは体験版を展示していた。ブースで展示を担当していたPavel Jiri Strnadさんはパッと見メタルバンドのメンバーにしか見えないが、プレイ中に横から「この敵をロックしろ」「左に行け」とアドバイスをしてくれるナイスガイである。ゲーム内容自体もボタン配置から画面の雰囲気、キャラクターのデザインに至るまで『ダークソウル』のまんま。Pavelさん自身も「『ダークソウル』が好きなんだよ!」と力説していた。完全に『ダークソウル』が好きすぎて頭がおかしくなってしまった人である。

『LOST HERO』のプレイ画面

 今回話を聞くことができたのは、ゲームショウに合わせて来日していた海外ブースのうちごく一部。にも関わらず、それぞれの会社の業務内容や目的によって同じイベントでも随分見え方が違うということ、そして現在のゲーム開発が極めて大規模な産業であることが改めて感じられた。彼らにとって、日本の見本市があとどれくらい魅力的な場であり続けるかわからないが、楽しそうにゲームの話をする彼らを見ていると、また来年も来てほしい……とつくづく思わずにはいられなかった。

■しげる
ライター。岐阜県出身。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

関連記事