『銀魂2』小栗旬ら出演者による副音声上映が話題 映画鑑賞体験を豊かにする新たな試み

 豊富なパロディと抱腹絶倒なギャグ、シリアスなシーンや派手なアクションも満載の『銀魂2 掟は破るためにこそある』(以下、『銀魂2』)は作品内容もユニークだが、上映体験を高めるための試みも特徴的だ。

 それは、DVDやBDの映像特典としてお馴染みのオーディオコメンタリーを映画館でやってしまおうという試みだ。この仕組みを可能にしたのは、『UDCast』というスマートフォン向けアプリだが、これは主に視聴覚障害者向けに映画などの映像コンテンツ向けの補助字幕や手話、音声ガイドを提供するもの。『銀魂2』はこの仕組みを利用して、新しい映画館での鑑賞体験を生み出すことに成功した。

『UDCast』とは何か

「UDCast」スマホ画面(c)Palabra株式会社

  『UDCast』は、Palabra株式会社が開発した音声認識アプリで、映画や放送番組、美術館などの展示施設などにおいて、字幕や手話、音声ガイドを提供するものだ。無料でダウンロード可能で、対応した作品一覧からあらかじめデータをダウンロードしておけば、ネット接続ができなくても利用可能だ。

 音声認識機能によって、タイムコードを自動で同期させるため、映画が始まる前にアプリを立ち上げておくだけで、自動的に音声ガイドや字幕が表示される(字幕表示のための専用メガネ型端末もある)。このアプリは映画館で使用することを前提にしているので、様々な気配りがなされている。例えば、音声ガイドはイヤホンを指していない状態では流れないようになっているので、うっかり映画館でイヤホンを指し忘れても大きな音を立てることもない(マイク付きイヤホンやBluetoothイヤホンは対応外なので注意)。さらにタイムコードを同期させる時の操作画面も暗めに作ってあるので、明るさで周囲の迷惑にならないよう配慮もされている。ちなみに、映画館での上映時だけでなく、自宅でDVDや動画配信で鑑賞する際にも使用できる。

 『銀魂2』以外にも現在上映中の作品では『SUNNY 強い気持ち・強い愛』や『寝ても覚めても』などが提供中、さらに9月15日からは話題作『カメラを止めるな!』の音声ガイドデータも提供される予定だ。(対応作品の詳細や詳しい使い方は、公式サイトで確認してほしい)

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