W杯・日本vsセネガル戦に合わせて楽しみたい、“アプリで読めるサッカーマンガ”4選

 『2018 FIFAワールドカップ ロシア大会』もグループリーグが中盤に差しかかり、各国の明暗が見えてきた。初戦のコロンビア戦を制した日本も、24日深夜にグループリーグの行方を左右するセネガル戦を控え、国内のサッカー熱は高まるばかりだ。

 今回のワールドカップはジャイアントキリングが各グループで起こるなど、チームの戦術が一つの見所にもなっている。とはいえ、サッカー初心者や最近ハマったサッカーファンには、それらを楽しむことはなかなか難しい。だが、その入口がマンガだったらどうだろうか? タイミングもよく、各マンガアプリがサッカー漫画を掲載しているという状況もふまえ、今回はワールドカップをより楽しむことのできるかもしれないサッカーマンガを、掲載アプリとともに紹介していきたい。

『アオアシ』(小学館・ビッグコミックスピリッツ)

アオアシ(1) (ビッグコミックス)

 いわゆるスポ魂ものから現実には再現不可能な特殊能力ものなど、サッカーマンガにもいろいろな形があるが、現代サッカーを知るにあたって、まずおすすめしたいのは『アオアシ』(作者:小林有吾・取材&原案協力:上野直彦・小学館・ビッグコミックスピリッツ)だ。Jリーグのユース(育成組織)を舞台に、主人公の青井葦人が“落ちこぼれ”から、自らの“目”にまつわる才能を開花させ、徐々に組織的な戦術を学び、プレイヤーとしてのレベルを上げていく物語だ。

 チーム・試合のランクが上がるにつれて、トップレベルのサッカーにも通ずる理論や手法が続々と登場。しかも主人公が点取り屋でも司令塔でもなく、普通なら焦点のあたらないーーしかし現代サッカーにおいては超重要な“あるポジション”に自身の適性を見つける、ということもサッカーをさらに深く知ることのできるポイントだろう。こちらは『マンガワン』で6月27日まで読むことができる。

『ホイッスル!』(集英社・週刊少年ジャンプ)

ホイッスル! 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 こちらも特殊技能、というよりは努力とチームワークで勝利を目指すサッカーマンガであり、そのリアリティの高さから賞賛を得た作品として『ホイッスル!』(作者:樋口大輔)を紹介。ジャンプの「友情・努力・勝利」というコンセプトを体現しながら、全員がレベルの高いわけではない、中学の“部活サッカー”としてのリアリティを描く作品だ。

 主人公の風祭 将も、“身長が低い”というコンプレックスを持ちながら、それを最終的には強さに変えてみせたり、まっすぐでサッカーのことが大好きな思いが周りの選手にも伝播していく様や、ルール解説も時折交えながら物語が進んでいくのは、サッカーファン初心者がさらに競技を好きになるのにピッタリといえるだろう。余談だが、日本のサポーターは風祭を岡崎慎司あたりに重ねて読む(後半はその2人の姿が重なる描写も……?)と、さらに楽しめるはずだ。なお、こちらも『マンガワン』で7月13日まで無料で読めるほか、同アプリでは続編の『ホイッスル!W』(裏サンデー)も連載中だ。

『DAYS』(講談社・週刊少年マガジン)

DAYS(1) (講談社コミックス)

 『ホイッスル!』が中学サッカーのリアルを描いたマンガだとすれば、『DAYS』(作者:安田剛士)はその手法を高校サッカーに取り入れた作品といえる。主人公の柄本つくしは、忍耐力と向上心だけが取り柄の元いじめられっ子だが、同学年でサッカーの天才・風間陣に誘われたことでサッカー部へ入部し、自身の才能を開花させていく。

 スポ根要素は強く、現実的にはあり得るのかという状況は多いが、物語や人物の舞台設定、相手チームにも魅力的なキャラクターが続々登場し、読み進めていくうちに感情移入してしまう作品だ。技術が飛躍的に上がるというわけでもない(そして物語のなかでも抜群に向上するわけではない)が、“情報を整理し、予測する能力”が高いことで、点取り屋において大事な「スペースを見つけ、入り込む能力」を開花させていくというストーリーは、「サッカーで点をとるのに大事な要素はなにか?」を理解するのにうってつけだ。こちらは『ピッコマ』『マガジンポケット』などで読むことができる。

『シュート!』(講談社・週刊少年マガジン)

シュート!(1) (週刊少年マガジンコミックス)

 サッカーマンガにおいても、コアファンが多い不朽の名作がこの『シュート!』(作者:大島司)だ。ここまで紹介して来た作品と違って、主人公は中学時代にもサッカー部で活躍していた。“トシ”こと田仲俊彦は、高校サッカーに旋風を巻き起こしたひと世代上のスター・久保嘉晴に憧れ、同じ中学校で“掛西中トリオ”と呼ばれていた平松和広・白石健二とともに掛川高校へ進学。紆余曲折ありながら3人ともサッカー部へ入部し、衝撃の別れを乗り越えながら、チームとして強くなっていく、というストーリーだ。

 先の3作と違い、サッカーを学ぶという観点では少し知識や手法も古いが、チームスポーツであるサッカーの魅力、熱量を強く感じ取ることのできるマンガであり、多くの選手にも影響を与えて来た作品なので、よりサッカーを知りたくなった、熱を感じたくなったときに読むのがオススメだ。こちらは『ピッコマ』『マンガBANG!』などで読むことができる。

 と、ここまで4作品を紹介してきたが、サッカーマンガは一番の名作といってもいい『キャプテン翼』や、現在連載中のJリーグを舞台にした『GIANT KILLING』をはじめ、さまざまなタイトルが充実しているジャンルでもある。今回の4作品いずれかでサッカーのみならず、サッカーマンガの魅力にハマったのであれば、さらに他の作品を読んでみるのもいいかもしれない。

(文=編集部)

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