“バーチャルYouTuber界の歌姫”富士葵 地上波番組出演&メジャーデビューに至った魅力
今やYouTubeで一大ムーブメントを巻き起こしているバーチャルYouTuber(VTuber)。中でも“バーチャルYouTuber界の歌姫”と称される富士葵は、地上波番組『ソーシャルジン』(TOKYO MX)に6月中レギュラー出演し、メジャーデビューが決定するなど、YouTubeの枠を超えて活動する最も注目の存在だ。
VTuberの定義は様々だが、主にYouTube上で2Dもしくは3DCGなどのアバターを用いた動画配信者に使われている言葉だ。国内におけるVTuberの先駆者と言われているのが2016年12月1日に投稿を開始したキズナアイで、彼女に類似したものはVTuberとされるケースが多い。今やチャンネル登録者数190万人であるキズナアイの評価により、キズナアイを含めた“バーチャルYouTuber四天王”がトップに君臨。6月には『アイカツ!』の公式YouTubeチャンネル・アイチューブから登場した「ナナ」がすでに登録者11万人を突破するなど、VTuber界は戦国時代に突入している。
そんな中、スマートデバイスメディア事業を手掛ける、株式会社Smarpriseが日本中を応援する“キミの心の応援団長”をコンセプトに、バーチャルYouTuber(プレスリリースにはVAR-YouTuberと表記)・富士葵のYouTubeチャンネル「Aoi ch.」を2017年12月に開設。12月8日に初投稿された「【Aoiの自己紹介】YouTuberはじめました!はじめまして!」では、セーラー服姿の葵が、「いろんな場所に行って美味しいものを食べたり、綺麗な景色を見たり、他にもゲームがやりたいな。あとはやっぱり歌を動画にしたい! 歌を通じてみんなのことを元気づけられたら葵も一番嬉しいな。みんなを笑顔に、そしてみんなに笑顔をもらえればいいなって思ってます」と自己紹介している。
その言葉通り当初は、【世界不思議ハンター葵】と題して葵が海外やアニメの聖地巡礼を行うなど、バーチャルだからこそどこへでも行ける特色を活かした企画に加え、飲み比べなどの【利きシリーズ】といったYouTuberの鉄板企画に挑戦し、VTuberとしての様々な可能性を見せてきた。しかし、最近は歌とゲーム動画に絞られている傾向にある。
現在は「夏の陣」と銘打った夏に向けての様々な活動を展開。生放送や、YouTube教育系チャンネル「あおい'sきっず」の設立、そして目標にしていたメジャーデビューが早くも決定した。
葵の人気の理由は、やはり“歌”だろう。RADWIMPSの「スパークル」や奥華子の「変わらないもの」など有名アニメ曲だけでなく、スーザン・ボイルの「夢やぶれて」や松任谷由実の「春よ、来い」といった歌詞の世界観が美しい楽曲もカバー。楽曲に合った実写映像をバックに透き通るような声で歌う動画は、どこか青春やノスタルジーを感じさせる心地の良い世界観を創り上げている。その歌声はVTuberの中だけでなく、YouTuberの歌い手の中でも突出しているように思う。