『Nintendo Labo』は「Toy-Conガレージ」からが本番だーー無限のポテンシャルを検証

 Nintendo Switch用ゲームキット『Nintendo Labo』が発売してから早2週間余り。喜び勇んで購入した編集部では、「リモコンカー」を作っては「これは凄い発明だ!」、「つり」を作っては「まさかの発想!」、「ピアノ」を作っては「曲も作れる!」と部員みんなで驚き、記事を書いてはせっせとアップしていた。いまやどうだろう? ダンボール製のかさばるToy-Conは、オフィスの片隅で次なる検証の出番を待っている状況だ。

『Nintendo Labo』の置きどころに困っているのは、我々だけではないだろう

 『Nintendo Labo』を触って、とにかく“楽しい!”と感じたのは、なんといっても作っている最中であり、出来上がったToy-Conが思い通りに動いた瞬間だった。ひとつひとつのパーツを組み立てていく快感、それが意外な機能を果たすものだったことに気付いたときのアハ体験、そして、無事に作動したときの達成感ーー。言ってみれば、『Nintendo Labo』は作っていく過程こそが“プレイ”であり、完成したToy-Conがちゃんと機能して“ゴール”というゲームだったのではないか。だからこそ、完成した途端に触ることが減ってしまったのだろう。しかし、実は『Nintendo Labo』において、ここまではチュートリアルに過ぎない。そう、ここから自分で好きなようにNintendo Swichをプログラミングし、自作のToy-Conを動かす「Toy-Conガレージ」への挑戦が始まる。

 この「Toy-Conガレージ」は、いわゆるビジュアルプログラミングのソフトで、方眼紙のような画面の中に、「入力」「中間」「出力」のオブジェクトを配置し、その組み合わせで『Nintendo Labo』に任意の動作を行わせることができるというもの。たとえば、「入力」のオブジェクトに「Joy-Con(L)を振る」、「中間」のオブジェクトに「カウンター(10回)」、出力のオブジェクトに「Joy-Con(R)を振動」と入力して、それらを順に繋げば、「Joy-Con(L)を10回振ると、Joy-Con(R)が振動する」というプログラムを組むことができるわけだ。『Nintendo Labo』の最大の楽しみである「作る」喜びを自由に味わえるという意味では、「Toy-Conガレージ」からが本番だと言っても過言ではあるまい。

ビギナーなのでわかりやすく配置したつもりだが、慣れればずっと複雑で美しいプログラミングも可能なはず

 というわけで、ピアノの操作性に物足りなさを感じていた筆者は、手始めにJoy-Conで直接操作できるシンセをプログラミングしてみることに。まずはわかりやすいように、「入力」オブジェクトをJoy-Con(L)のボタンに習って配置していき、「出力」でそれぞれに音階を割り振っていく。すると、10分もかからずに白鍵の音階を作ることができた。慣れれば片手でちょっとした演奏もできるだろう。

 そしてJoy-Con(R)だが、こちらは「ジャイロセンサー」を使って、傾けることによって周波数を変化できるようにプログラミング。この左右のJoy-Conのプログラミングを組み合わせれば、Joy-Con(L)のボタンで音階を指定し、Joy-Con(R)の傾きでその音の鳴り方を調整できるはずである。Joy-Con(R)のボタンには、追って効果音なども入れることにしよう。RボタンとZRボタンで、オクターヴ調整や音色の変更ができると便利なのだが……などとやっているうちに、気付けば1時間が経過してしまった、仕事中なのに。「Toy-Conガレージ」恐るべし、である。自作のダンボールToy-Conなどを作り始めたら、大人でも時間を忘れて没頭してしまうはずだ。

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