YouTube本社銃撃事件の海外メディア報道に見る、アメリカ銃議論の複雑さ

フィットネス・ビデオの広告収入停止に怒った女性YouTuber

 ニューヨーク・タイムズは「YouTube襲撃犯がイランでどうしてバイラルになったのか」という記事で自分のYouTubeビデオの広告が停止されたことに対する不満、それがYouTubeによる陰謀であると彼女が主張していたことを紹介している。アメリカ社会に対しても大きな不満を抱えていたようだ。ワシントン・ポストのオピニオン記事ではまさに「次の銃乱射犯人が、自分のフィットネス・ビデオの広告収入をYouTubeに停止されたことに怒った女性の動物愛護運動家によるものだなんて誰が想像できただろうか」とこの事件の異例さを指摘している。

 もちろん、これまでの銃乱射議論と共通する要素は多く存在している。警察が事前に犯行について家族からの警告を受け取っていたが何も対策をしなかったこと。彼女が何らかの精神疾患を患わっていた可能性が高い点、だ。上記のワシントン・ポストの記事のタイトルは「YouTube銃撃犯は(銃乱射事件に関する)最も重要なパターンに当てはまっている」とタイトルが付いている。筆者のMolly Roberts氏によると、それは「犯人は人を傷つけたかった。そしてそれを可能にする銃が存在したことだ」と締めくくっている。

■塚本紺
ニューヨーク在住、翻訳家・ジャーナリスト。テック、政治、エンタメの分野にまたがる社会現象を中心に執筆。
参加媒体にはDigiday、ギズモード、Fuze、GetNavi Webなどがある。
Twitter:@Tsukamoto_Kon

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