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タカラトミーの合体変形ロボ、なぜ大人を虜に? 3DモデリングとSNSでオタクライフに変化

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 アニメ、アイドル、漫画、ゲーム……。世間には様々なオタクがいて、オンライン/オフラインを問わず、日々モリモリと活動している。その中でもひときわ地味、しかし確かに存在するのが「オモチャを買う中年男性」である。中年でも男性でもない場合もあるが、ここではひとまず雑に中年男性と呼んでしまいたい。

 オモチャを買う中年男性も、昔からネットでの発信は続けていた。まだ中年になる前から、個人でWebサイトを作ったりオモチャを紹介するブログを書いたりという活動を続けてきた人も多い。しかし、近年のSNSの普及によって、そんな中年男性の生態が可視化されてきた。

 現在、国内の玩具メーカーはほぼ寡占状態になりつつある。「おもちゃ情報net.」に掲載された「おもちゃ会社一覧」を見ると、男の子向けの玩具を取り扱う企業は27社。その大半は、安価なRCカーやラジコン、はたまた文房具店の店先やスーパーの玩具スペースで売られている「はたらく車」のオモチャや水鉄砲などを扱っているような小さなメーカーである。自社でコンテンツを製作し、テレビや雑誌やネットを通じてそれらをドロップし、さらにそれらのオモチャを販売して利益をあげられるだけの体力がある企業は、バンダイ、タカラトミー、ブシロードなど数社にすぎない。

 その中でも、長年にわたってオモチャフリークの注目を集めているのがタカラトミーだ。最近のタカラトミーはすこぶる元気がいい。その原因のひとつが、合体変形するロボット型のトイが好調な点である。30年以上にわたって展開されてきた合体変形ロボットトイの代表格『トランスフォーマー』シリーズを擁する同社だが、そのほかにも『トミカドライブヘッド』、『シンカリオン』、そして先日発表されたゾイドシリーズの新作『ゾイドワイルド』と、立て続けにロボット系の商品をリリース。発表のペースだけで、うるさ型のオタクたちに「勢いあるな!」という印象を植え付けている。

 タカラトミーのロボットトイでもっともノウハウの蓄積を感じるのが、その変形プロセスとオモチャとしての剛性の「ほどよさ」である。デジタルでの設計の利点である各パーツの三次元的な嵌合のよさと、合体ギミックの整合性はハイレベル。それでいて変形ギミックが難しすぎず(例外はある)、オモチャとしての遊びの要素と頑丈さも担保されている……同社のオモチャをいじっていると、そんな完成度の高さが感じられる。何もかもが、ほどよいのである。

怪獣”ナイフヘッド”とダイアバトルスV2を戦わせる図。「いい歳して何をやっているのか」と冷静になったら負けだ

 そんな「ほどよさ」がヒットに繋がった一例をあげると、『ダイアクロン』のリブート後に発売された一連のオモチャがある。『ダイアクロン』はもともと1980年から発売されていたタカラのオリジナル玩具シリーズで、1インチサイズの小さな人形と、大型のロボットやビークルを組み合わせて遊ぶことができる。後期には『カーロボット』の名称で実在の車両がロボットに変形するシリーズを展開。これの設定を変更してアメリカで発売されたのが、『トランスフォーマー』である。

 『ダイアクロン』は、2016年にリブート版が発表された。このリブート版は、発表当時は正直あまり騒がれてはいなかった。『ミクロマン』の陰に隠れて若干マイナーだった感のある『ダイアクロン』を、今更なぜ……? 中年男性たちの脳裏にはそんな疑問が湧いていた。しかし、リブート版第一弾商品である『ダイアバトルスV2』が発売された後に状況は一変。小さいのにやたらよく動く新生ダイアクロン隊員、各パーツを組み替えることで多彩なモードにチェンジする合体遊びの楽しさ、触っているだけで「これはガシガシ遊んでも大丈夫だな」とわかる剛性や部品のホールド感、「穴の空いた握り手」しか付属していないなどの適度な割り切り……。決して価格の安いオモチャではなかったが、それも納得のバリューとポテンシャルを持った商品であることがSNSを中心に拡散され、ヒットに繋がったのである。

スケール感が近いので、アメリカ製の『スターシップ・トゥルーパーズ』とダイアクロンのオモチャを並べて遊ぶ。机が汚いのはご容赦願いたい

 他のオタク同様、オモチャを買う中年男性にとって欠かせないのもツイッターを中心にしたSNSだ。前述の『ダイアバトルスV2』のヒットに繋がったのは、「実際に遊んでいるところを写真に撮ってサッとアップする」という行動が手軽にとれるようになった点だろう。さらに『ダイアクロン』シリーズには3㎜と4㎜のジョイントをはめ込める穴が開けられており、他社製品であってもジョイント径が同じなら武器や部品を取り付けることができる。そのため「ウルトラボーグの部品が使える」「ガンダムのモビルスーツアンサンブルのジョイントも3㎜」というような情報交換がオンラインで行われ、中年男性のみなさんは手持ちのオモチャのカスタマイズに勤しむこととなった。

      

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