人工知能で”美顔モード”も自動化? 2018年、スマートフォンのトレンド予測

Xperia XA1 UltraのCM

 海外ではセルフィー文化が広く根付いているが、日本でも自撮りに特化したスマートフォンが増え始めている。SNOWやBeautyPlusといったアプリはもちろん、スマートフォンのインカメラ自体にSNOWのような美顔モードを搭載しているものまで登場。OPPOのR11sも機械学習を用いて被写体のベストな顔の状態を処理してくれる。

 ASUSのZenFone Liveは、美顔モードを適用させたまま、Facebook やInstagramのライブ配信を可能にした。このようなセルフィーは日本のメーカーも力を入れてきている。ソニーモバイルが昨年海外で発売したXperia XA1 UltraはインカメラにLEDライトを搭載し、海外CMではセルフィーをセールス・ポイントの一つとして取り入れていた。さらにMAYA SYSTEMに譲渡したFREETELスマートフォンのREI 2 Dualでも、被写体の目や顔の大きさなど細かく調整できるモードを搭載。自撮り機能の充実も、2018年も大きく期待したいトレンドのひとつである。

生体認証システムとフルディスプレイ

 かつての生体認証の主流は指紋センサーだったが、昨年あたりから虹彩認証、顔認証を搭載するメーカーが増えてきた。虹彩認証はGalaxyスマートフォン、顔認証はiPhone Xが搭載しておりり、多くのメーカーはこれに追従する形になるだろう。さらには中国Vivoが画面内に指紋センサーを埋め込んだ「Clear ID」を開発。既に製品化が決まっている。画面に埋め込んだり、顔、虹彩による生体認証を採用することで、前面のディスプレイ占有率が大きなフルディスプレイの流れが大きく進むことになるだろう。

ミドルレンジスマートフォンで事足りる時代に

 スマートフォンの高性能化とともに価格も10万円を超えるようになってきた。そこで注目しておきたいのが5~6万円の価格帯のスマートフォンである。分類的にはミドルレンジだが、チップセットの進化により、重い処理も軽々とこなせるようになってきた。恐らく多くのユーザーはミドルレンジの性能で事足りるだろう。
 こうした中機能・中価格のスマートフォンが増えていくと予想される。特に日本ではSIMロックフリースマートフォンが多く増えてきている。その多くがミドルレンジスマートフォンであり、価格は5万円帯だ。これに対抗するようにNTTドコモは低価格帯スマートフォンのdocomo withブランドを展開、ワイモバイルもAndroid Oneスマートフォンを多く発売するなど、ミドルレンジの種類は実際に、日々増えてきている。

 2017年はスマートフォンの進化を特に感じられる1年だったが、2018年はそれがさらに加速していくとみられる。進化を遂げた機能を中価格帯のスマートフォンにも段階的に採用していく流れもあるため、そのあたりにも期待してよさそうだ。

■佐々木翼(ささきつばさ)
モバイル製品などのガジェットに詳しいフリーライター。
モバイルメディアの「ガジェットギーク」も個人運営している。

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