『LOST10』第1話から期待通りのクオリティ “小駒”横浜流星と“直”小栗旬は犬猿のバディ?

横浜流星が主演を務めるTBS系金曜ドラマ『LOST10』が10月16日にスタートした。『国宝』の奥寺佐渡子が脚本を手掛け、『Nのために』(TBS系)や『最愛』(TBS系)でも奥寺とタッグを組んだ塚原あゆ子の演出と新井順子のプロデュースという、それだけで完成度の高い作品であることが担保されている座組み。その期待通り、第1話の時点から実に密度の高い作品に仕上がっているではないか。
北海道の支樺岳でツアーガイドの田畠(飯豊まりえ)とツアー客の猿渡(中村アン)、門伝隆太郎(兵頭功海)と美咲(森田想)の夫妻、二階堂(金子昇)、宇江松(吉岡睦雄)の6名が遭難。支樺署の刑事・小駒(横浜流星)らが捜索にあたるなか、沢で二階堂の遺体が発見される。その直後に二階堂の妻・ハルネ(斉藤由貴)から生命保険会社に請求の問い合わせが。事故発生の直前に契約内容が見直されていたことを不審に感じた全日保険リサーチのフリー調査員である直(小栗旬)は現地へと向かうことになる。

第1話では物語の発端となる遭難事故から、いわゆる“72時間の壁(遭難や災害時における人命救助のタイムリミットとされているもの)”の間に起こるできごとを一気に駆け抜けてみせる。ヒューマン・サスペンスと銘打たれた作品である以上、この遭難事故の真相――すなわち他の登山客がいない“開かれた密室”で何が起きていたのか――を基軸とし、“72時間の壁”の先の時点から、それ以前の時間軸を探っていく構成になることが想定できる。「すべてを疑え。疑い尽くして残ったものだけが真実だ」という直のセリフは、ある意味でこのドラマのたどる道筋を示唆するものであろう。

そうしたなかで、要救助者の一人・猿渡が中学時代の恩師であることに気が付く小駒。彼が捜索活動中にフラッシュバックさせる記憶の正体。また、そんな小駒があまりのノンデリカシーぶりに苛立ちを覚える直という男の掴みどころのないミステリアスさ――保健調査員でありながらも“事件”を嗅ぎ分ける能力を持ち、奇しくも山に慣れている。内側に何かを秘めた主人公と、それと対立関係になっても協調関係になっても不思議ではない者との関係の変化こそ、このドラマを進める重要な動力になると見える。
さて、ひと通りの骨組みのようなものが見えたところで第1話の終盤、一気にミステリーの扉が開く。無事に救助された猿渡の証言から、二階堂が一人で山を降りようとし、田畠が追いかけていったという状況が判明。さらに二階堂の司法解剖の結果、体内から睡眠薬が検出され、血中濃度から山中にいる間に服用していたという極めて不自然な可能性が浮上する。さらにツアー参加者たちは山に入る前に山岳保険に加入しており、死亡時1人あたり500万円という保険金の受取人が、なぜか猿渡になっていたという事実が明らかになる。

不運な遭難死を遂げた二階堂の巨額な保険金をめぐって疑いをかけられたハルネの素性がまったく見えないうちに、早々と同じように保険金をめぐって単なる生存者から疑惑の人物へとシフトする猿渡。1つの遭難事故と、真相を追う2人の男と、疑わしき2人の女、そして行方不明のままの3人の登山客に、どのように絡んでくるのか見えてこない複数の関係者たち。実に綺麗に重ねられたミステリーはなかなかに興味深く、おおよそ小駒と直のあいだにある溝のようなものは、猿渡への疑念をめぐって深まることになると思われる。
■放送情報
金曜ドラマ『LOST10』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:横浜流星、小栗旬、中村アン、飯豊まりえ、井口理、岩谷健司、松下洸平、市川実日子、野呂佳代、斉藤由貴
脚本:奥寺佐渡子
演出:塚原あゆ子
プロデュース:新井順子
編成:荒木沙耶
音楽:ガブリエル・ロベルト
主題歌:Maya「LOST」(Sony Music Labels Inc.)
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBSスパークル/TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/lost10/
公式X(旧Twitter):@lost10_tbs
公式Instagram:lost10_tbs
公式TikTok:@lost10_tbs




















