『豊臣兄弟!』の徳川四天王は“アベンジャーズ”級のカッコよさ 再登場に高まる期待

『豊臣兄弟!』徳川四天王は“アベンジャーズ”

井伊直政(阿久津仁愛)

 演じる阿久津仁愛には、2.5次元舞台などで活躍する正統派美少年のイメージを持っていた。映画『美男ペコパンと悪魔』(2023年)などでは剣戟シーンも見せるが、あくまで線の細い、心優しい少年である。だがそのイメージは、井伊直政初登場のシーンで覆される。瞳孔が開いた目に薄ら笑い。ナチュラル・ボーン・バーサーカーといった仕上がりである。戦いが、ひいては殺し合いが、好きで好きでたまらないといった雰囲気だ。事実、その後の小牧・長久手の戦いにおいて池田恒興(堀井新太)を討ち取った際の笑顔は、見事に狂っていた。

 とはいえ、美男子であることには変わりない。後に秀吉の母・なか(坂井真紀)が徳川に人質として送られて来た際、立場も忘れて直政に惚れ込んでしまうという逸話がある。バーサーカーがタジタジになる画を、戦場とのギャップを、観ながら飲む酒は美味いはずだ。

榊原康政(栗原類)

 初登場時、もっともインパクトがあったのが、栗原類演じる榊原康政である。どれだけの人間を殺めたら、あのような目になるのか。同じバーサーカーでも、直政とは真逆の、どこを見ているのかわからない光のない目。人間らしい喜怒哀楽をとっくに捨て去った、殺人マシーンのたたずまい。彼の場合は直政のようなナチュラル・ボーンではなく、元は普通の人間が数多の戦いを経て徐々に感情をなくしていったような、そんなストーリーも感じさせる。そのため戦のない世になってしまったら、反動でネルソンさん化(『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』より)しそうな危うさも秘めている。

 彼の登場シーンをモノクロで観てみると、その狂気を帯びたたたずまいは、2025年亡くなった名優・仲代達矢とシンクロする。『アニバーサリー』(2016年)における心優しい死神、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編-決戦-』(2023年)における原作再現度の高すぎる灰谷蘭など、俳優としても好演している彼だが、その狂気性を活かした役柄も、これからは観ていきたい。「令和の仲代達矢」を、観てみたい。

 今作は『どうする家康』とは違い、豊臣側視点の物語であるため、彼らの活躍がどれだけ描かれるかは未知数だ。今後彼らが登場するとすれば、石川数正の寝返り、あさひ(倉沢杏菜)の家康への輿入れ、なかの家康への人質行き、およびその際のなかの直政への推し活描写辺りか。期待したい。

■放送情報
大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/毎週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石聖、坂井真紀、宮澤エマ、倉沢杏菜
大東駿介、松下洸平、中島歩、要潤、山口馬木也、宮﨑あおい、小栗旬ほか
語り:安藤サクラ
脚本:八津弘幸
制作統括:松川博敬、堀内裕介
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
音楽:木村秀彬
時代考証:黒田基樹、柴裕之
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-P52L88MYXY
公式X(旧Twitter):@nhk_toyotomi
公式Instagram:@nhk_toyotomi

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